散骨と樹木葬は何が違う?特徴、メリット・デメリットを徹底解説

近年、「散骨」や「樹木葬」の人気が高まっています。

「散骨」と「樹木葬」はどちらも故人を自然の中へ送り出すという点では共通しているため、混同されて用いられることもある言葉です。

しかし、「散骨」と「樹木葬」は全く異なる供養です。

この記事ではそんな「散骨」と「樹木葬」について詳しく解説します。

それぞれの特徴やメリット・デメリットを把握したうえで自分に最もあった供養を選択できるようにしましょう。

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散骨と樹木葬

散骨と樹木葬はどちらも、「一般的なお墓に比べて費用を抑えることができる」「お墓の後継である、継承者がいらない」「美しい景色の中で故人を送り出すことができる」などの利点があることから、注目されることが多い供養です。

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散骨とは

散骨とはご遺骨を細かく砕いて山や海へ撒く供養のことです。

「お墓の管理が必要ない」「宗教観やしきたりに縛られない」「故人の好きだった景色の中で送り出すことができる」といった魅力から注目される機会が増えています。

また、散骨は行う場所には決まりがないため、好きな場所で自由に散骨を行うことができる点も魅力の一つです。

ただし、ご遺骨を砕く「粉骨」を行わないと死体等遺棄罪などの法律に抵触してしまうことに注意しなければなりません。

散骨を行う上での注意点についてさらに知りたい方はこちらの記事をご覧ください。
▷散骨は自分でもできる!自分でできる散骨のやり方、注意点を解説

散骨を行うためには書類が必要

散骨を業者に散骨や粉骨を依頼する場合、書類が必要となってきます。

1つ目は申し込みをする本人の本人確認証明書です。
マイナンバーカードや保険証、運転免許証などを用意しておきましょう。
またこの場合、なるべく顔写真付きのものを選ぶのがよいでしょう。

2つ目は故人の確認ができる火葬許可証、埋葬許可証、改葬許可証などの用意が必要です。

これら2つの書類は散骨を依頼する際に必要となるため必ず忘れずに準備しておきましょう。

散骨に必要な手続きについてさらに詳しく知りたい方は▷散骨に必要な許可や手続き、用意する書類を解説 をご覧下さい。

散骨の種類

散骨はご遺骨を撒く場所によって、海へご遺骨を撒く「海洋散骨」、山や森にご遺骨を撒く「山林散骨」、空からご遺骨を撒く「空中散骨」などがあります。

また、近年では海外での散骨や、宇宙空間へご遺骨を放つ「宇宙散骨」など多種多様な散骨が登場しています。

また、どのような方が散骨を行うかによっても種類が分かれます。

ご家族やご遺族が散骨を行う「個別散骨」、散骨業者が代わりに散骨を行う「代行散骨」、複数のご家族で散骨を行う「合同散骨」が存在します。

代行散骨や合同散骨は個別散骨よりも散骨費用を抑えられる傾向にあります。

散骨の種類や特徴についてさらに詳しく知りたい方は▷散骨の種類はどれくらいある?代表的な散骨や変わったものも解説をご覧下さい。

海洋散骨と山間散骨の違い

海洋散骨と山間散骨はどちらともお墓を準備しない自然葬であり、場所以外の違いはありません。

この両者とも宗派や宗旨を問わず、供養することができるのも大きな特徴です。

また、もちろんどちらも管理費がかかることはなく、散骨場所の違いからか掛かる金額が多少変わるぐらいであると言えます。

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散骨の注意点

散骨が自治体によって許可されている地域でも、場所によって散骨が禁止されていることがあります。

また、既に埋葬されている遺骨を散骨する場合、改装許可証が必要となります。

周囲の方に迷惑をかけないようにしっかりと事前に準備と確認をしておくことが大切です。

樹木葬とは

樹木葬とは従来のお墓のように故人のご遺骨を埋葬し、墓石代わりに樹木を植える供養のことです。

故人の「華やかな場所で眠りたい」「一代限りのお墓にしたい」という願いを叶えることができます。

また、樹木葬を行っている墓地や霊園は都心や都市部にも多く存在するため、「今ある先祖のお墓は遠くてお参りに行くことが難しい」というご家族の悩みを解決することができます。

散骨にはどこでもご遺骨を撒くことができるという特徴がありますが、樹木葬は墓地や霊園でしか埋葬することができないという点には注意しなければなりません。

これは、墓地、埋葬等に関する法律という法律の中でご遺骨は「ご遺骨は墓地や霊園以外に埋めてはならない」と決められているためです。

樹木葬の種類

樹木葬には、大きく分けて2つの種類があります。

ここからは、樹木葬の種類についてそのメリット、デメリットについて解説します。

里山型樹木葬

里山型樹木葬とは、農村などの里山につくられる樹木葬のことです。

自然の中で安らかに眠ることができるという樹木葬のイメージに最も近いのは里山型樹木葬であると言えます。

埋葬方法としては、墓標として植えられた木の下や、自然に生えている木の下に遺骨を埋葬します。
また、この方法では多くの場合、遺骨を土に還す形となるため、自然に還りたいという考えの方にとてもおすすめです。

この方法のメリットとしては、故人が自然に包まれて眠ることができることや、墓標となる樹木や植物を自分で選べるものもあるということです。

一方でデメリットとしては、里山型樹木葬を取り扱う墓地が少ないことや、交通のアクセスが不便でお参りに行きづらいことがあげられます。
さらに、季節によってお参りに行けないこともあります。

この埋葬方法は交通の便やお墓参りの生きやすさよりも、故人の希望に寄り添いたいという方におすすめです。

都市型樹木葬

都市型樹木葬は、都市部につくられる樹木葬のことです。

霊園やお寺の中に自然を人工的に再現したものが多いため、里山型樹木葬と比べると自然を感じることは少なくなる傾向にあります。

また、この場合必ずしも遺骨がそのまま土に還るとは限りません。
多くの場合石室に骨壺などで納骨し、一定期間後に合葬されることとなります。

この方法のメリットとしては、駅の近くや街中に立地していることからお参りに行きやすいことや、霊園やお寺によって様々なバリエーションのものを選択できることなどです。

一方、この方法のデメリットとしては樹木葬のイメージに合わないものがあったり、墓標とする樹木や植物があらかじめ決まったりして、選択肢がないこと、遺骨が土に還らないことがあります。

この埋葬方法は、お墓参りの頻度が高くなりそうな場合や、交通の便を重視する方にとっておすすめです。

樹木葬の埋葬方法

樹木葬には、樹木ごとに埋葬する人数によって種類が分かれます。

一つの樹木に一人のご遺骨を埋葬する「区画型樹木葬」、一つの樹木に家族や夫婦のご遺骨を埋葬する「個別型樹木葬」、一つの樹木に多くの方のご遺骨を埋葬する「合祀型樹木葬(集合樹木葬)」があります。

最も費用を抑えることができる樹木葬は合祀型樹木葬(集合樹木葬)で20万円弱で供養できることが多いです。

最も高額になってしまう樹木葬は区画型樹木葬です。

多くの場合は50万円以上からで、人気の霊園では100万円以上必要になることもあります。

合祀型樹木葬(集合樹木葬)は費用を抑えることができますが、骨壺からご遺骨を取り出し集合墓タイプとの違いは骨壺から取り出しているため、他の方のご遺骨と一緒になってしまうというデメリットがあります。

樹木葬の注意点

樹木葬をする際に注意すべきことは、通常の骨壺を納めるのか自然に還るように埋葬するのかを決める必要があります。

骨壺に入っていない遺骨や合祀にした場合は、納骨後に遺骨を取り出すことが不可能であるため気をつけましょう。

また、墓地を選ぶ際に、手入れの様子や公共交通機関、車でのアクセスも確認しておくことも重要です。

また、永代供養であってもその墓地との契約内容によって別途で費用がかかることもあるため、遺骨を納めるごとにかかる諸々の手数料や料金、管理費などをしっかりと確かめておきましょう。

事前に埋葬後のことを視野に入れてどの形式で、どこに埋葬するのかを判断するのがよいでしょう。

散骨と樹木葬の違い

散骨と樹木葬は故人を自然に還すという点で共通しているため、混同されやすいですが実際には全く異なる供養です。

ここでは散骨と樹木葬の違いをいくつかご紹介します。

  

散骨 樹木葬
費用相場 50,000〜250,000円 100,000〜700,000円
粉骨の必要性 有り 無し
供養の方法 ご遺骨を撒く ご遺骨を埋葬する
年間管理費 0円 年間5,000~10,000円(合祀の場合0円)
安置期間の制限 無し 有り
墓石の有無 無し 無し
お墓参り 不可

散骨と樹木葬の最も大きな違いは管理の必要があるかという点です。

樹木葬では樹木の手入れが必要なため、管理費が発生します。

また、安置期間にかぎりが設けられていることも多く、供養後およそ30年が経過すると合祀されることが一般的です。

一方、散骨を行った場合は管理をする必要がないため、管理費や安置期間の制限は発生しません。

散骨に向いている方

散骨をするのに向いているのは、主に没後に自然に還りたいと望んでいる方や子孫に供養の手間をかけさせたくないという方です。

散骨は通常のお墓への埋葬とは違い、その後の維持費や手間がかからないのが大きな特徴です。

そのため、自分の子孫に手間をかけさせたくないと望む方にとってとても向いている供養方法なのです。

また、没後に自然に還ることが可能であることから散骨を選ぶ方もいます。

この他にも、子孫が絶家することがすでに分かっている場合も散骨は向いていると言えます。

無縁墓となる前に墓じまいを行っておくのも後々の負担を減らすことに繋がります。

樹木葬に向いている方

樹木葬をするのに向いているのは、散骨と同様に没後に自然に還りたいと望んでいる方や、子孫に経済的や時間の負担をかけさせたくないと考えている方です。

樹木葬の場合、散骨とは違い、遺骨が霊園などに埋葬されます。
しかし、一般的な墓地への埋葬とは違い、管理や供養は霊園側が行ってくれることがほとんどであるため、子孫に手間をかける心配がないのです。

また、最近では後継者がいないことや、経済的な負担などの理由から樹木葬を選ぶ方が増えています。

樹木葬によっては家族や夫婦が一緒に入れるものもあるため、故人を思いやった供養を行うことができます。

散骨の4つのメリット

散骨には従来の供養にないメリットがたくさん存在しますが、ここでは代表的なメリットを4つご紹介します。

メリット①費用を抑えることができる

従来のようなお墓へ納骨する場合と比べて散骨は費用を抑えることができます。

散骨にかかる費用の内訳は大きく分けて「粉骨費用」「散骨費用」のふたつです。

従来のお墓を立てるための費用の内訳は大きく分けて「墓石代」「供養のお布施」「永代使用料・年間維持費」です。

お墓を永代に渡って使用する権利を得るためのお金である永代供養は高額になることが多く、人気霊園の場合は1000万円以上になる場合もあります。

メリット②故人を自然に還すことができる

散骨を行うと故人を自然に還す供養ができます。

また、故人の好きだった風景や思い入れのある場所で供養をすることができます。

メリット③散骨と同時に遊覧を行うことができる

海洋散骨、空中散骨などの乗り物を借りる散骨を行う場合には散骨のセレモニーを行った後に遊覧を行うこともできます。

特に、空中散骨を行った場合には故人の好きだった街並みを上空から眺めることも可能です。

散骨の2つのデメリット

散骨にはデメリットも存在します。

ここでは代表的なデメリットを2つご紹介します。

メリットとデメリットをしっかりと把握して悔いのない散骨を心がけましょう。

デメリット①お参りができない

散骨はお墓がないため、お参りをすることができません。

業者によって緯度・経度の記された書類をもらうことができますが、ご遺骨自体は風や潮の流れで拡散してしまうため特定の場所でお参りをすることができません。

デメリット②マナーやモラルを守らないとトラブルになることがある

散骨という行為自体には法的、宗教的な問題はありませんが、ご遺骨を撒くという行為であることからトラブルに発展してしまうこともあります。

特に、ご遺骨を細かく砕く行為である「粉骨」は正しく行わないと、墓地、埋葬等に関する法律や死体遺棄罪などの法律に触れてしまうことがあるため注意が必要です。

▷【散骨でよくあるトラブルの事例】トラブルを避けるための3つの対策

樹木葬の2つのメリット

樹木葬には従来の供養にはないメリットが多数あります。

ここでは樹木葬のメリットを2つご紹介します。

メリット①粉骨が必要ない

散骨を行うためには粉骨をしなければいけませんが、樹木葬は従来の供養と同じように埋葬をするため粉骨の必要がありません。

粉骨を行わないことで粉骨にかかる費用や時間を省くことができます。

メリット②お墓参りができる

散骨とは異なり、故人のいる場所が分かるためお墓参りが可能です。

従来のお墓と同じようにお墓参りをしたいという方には嬉しいメリットではないのでしょうか。

樹木葬の3つのデメリット

樹木葬にはデメリットは存在します。

デメリットを把握した上で供養の選択を検討しましょう。

デメリット①季節によって落葉、落花する

落葉の季節や大雨の後など、樹木葬の華やかさがなくなってしまう時期には見た目に寂しさを感じてしまうかもしれません。

見た目の華やかさが特徴の樹木葬にとって、お花が散ってしまう場合などは短調に感してしまう場合もあります。

デメリット②永代供養を行うよりも高額になることがある

樹木葬を行うと樹木の管理のための費用がかかるため、供養に必要な費用が高額になることがあります。

特に、お墓を建てる必要がなくお参りが可能な供養である永代供養と比較して、管理費が必要になる分高額になってしまいます。

デメリット③樹木葬のできる霊園が限られている

樹木葬が可能な墓地や霊園は限られています。

そのため、人気の高い霊園では費用が高額になったり、そもそも樹木葬を立てることができない場合もあります。

特に、都心部の公営霊園では人気が殺到することが多く、過去に予約者を募ったところ15倍以上の倍率が発生した霊園もあります。

散骨ならブリーズガーデンへ

ブリーズガーデンでは海洋散骨を行っています。

ブリーズガーデンでは粉骨サービスも行っており、適切な粉骨をさせていただきます。

また、散骨だけでなく供養について不安に感じることや聞きたいことがあればお気軽にご相談ください。

ブリースガーデンでは「海洋散骨」以外に「粉骨」「手元供養品の作成」のサービスを行っており、これまで多くの方の粉骨から供養までをトータルサポートでお手伝いさていただいております。

ブリーズガーデンでは、お問い合わせフォームより24時間365日ご相談を受け付けております。

散骨や供養全般に対して疑問に感じることや不安に感じることがあれば、ぜひブリーズガーデンまでお気軽にご相談ください。

ブリーズガーデンへのご相談はこちらからお問い合わせください。

▷ブリーズガーデンのお問い合わせフォーム

ペットの場合

ペットが散骨や樹木葬などの供養方法をとる場合、その流れが人間とは少し異なることがあります。

ここからはペットの散骨や樹木葬のそれぞれの供養方法やその流れについて解説します。

ペットの散骨

ペットの遺骨を散骨する場合は粉骨を必ず行いましょう。
ペットも人間と同様に散骨をする前に粉骨をする必要があります。

火葬した状態だけでは、見た目によって人間の骨ではないかと思われて、最悪の場合通報されてしまう可能性があります。

予期せぬトラブルが起きてしまうのを防ぐためにも、しっかりと事前準備を行いましょう。

また散骨をする場所に関してですが、具体的にどこと法律で明記されているわけではありませんが、しっかりと前もって許可をとってから行うようにしましょう。

ペットの樹木葬

ペットの樹木葬では、人間と同様に個別型と合祀型があり、霊園によってもその形式が異なります。

元々は土に直接埋葬するのが主流であったのですが、最近では樹木や植物の根元に納骨スペースが設けられている形のものもあります。

直接土に埋めないことから、埋葬後に遺骨を取り出すことができますが、この場合土に還すことができなくなってしまうのです。

ペットの樹木葬の場合でも、人間と同様にいくつかの種類があるため、事前にしっかりと確認を行っておくことが大切です。

ペットの樹木葬について詳しく知りたい方はこちらもご覧下さい。
▷ペットの樹木葬のメリットとは?流れや必要な手続き、費用の目安を解説

散骨と樹木葬、自分に合った供養の方法を選択しよう

骨と樹木葬は混同されやすい言葉ですが、実際には全く異なる供養の仕方です。

供養において最も大切なことは故人を想う気持ちです。

それぞれの特徴やメリット・デメリットを把握した上で、最も故人を想うことのできる供養の方法を選択できるようにしましょう。

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