お墓の開け方とは?お墓のタイプ別の開け方と作業中の注意点について解説

近年、「改葬するためにお墓を開けたい」「相続の関係でそろそろ墓じまいをしたい」などと考えている方は多くいらっしゃいます。

改葬や墓じまいをする際にはお墓を開けてご遺骨を取り出す必要がありますが、「お墓の開け方が分からない」と困っている方も多いでしょう。

ここではお墓の開け方をお墓のタイプ別にご紹介します。

お墓を開ける際に用意するべき道具、作業中の注意点などについても解説していますので、お墓を開けるご予定のある方はぜひ参考にしてみてください。

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改葬や墓じまいをするにはお墓を開けなくてはならない

近年、相続の問題やお墓の維持・管理の観点から改葬や墓じまいを考える方が増えています。

改葬や墓じまいをするにはお墓を開ける必要がありますが、「どのように開けたらよいのか分からない」「自分であけてもよいのだろうか」と悩む方も多いです。

改葬ついて詳しく知りたい方は、
▶︎改葬を行う理由は?改葬の際におすすめの供養方法も紹介

をご覧ください。

墓じまいについて詳しく知りたい方は、

▶︎墓じまいの手続き|実は簡単?方法やよくある疑問も解説

をご覧ください。

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お墓の開け方

お墓の開け方はお墓の構造によって異なります。

お墓の構造は関東式や関西式など、地域別に異なるタイプであるためそれぞれについて解説していきます。

所有しているお墓のタイプが分からない場合は、お墓の建設を依頼した石材店や霊園・墓地などに問い合わせて確認しておくとよいでしょう。

お墓を開ける際に必要なもの

お墓を開ける際にはいくつか道具が必要になります。

最低限必要なものは以下の3点です。

  • 軍手
  • タオル
  • バール 2本

以下のものはあったら便利なものです。

準備できる方は念のため持参しておくとよいでしょう。

  • 金槌
  • カッター
  • 懐中電灯
  • たがね
  • ヘルメット

関東式の開け方

関東式のお墓の多くは納骨室が地下にあるタイプの地下型です。

地下型はお墓の中心に香炉があり、その下にフタになっている拝石と呼ばれる石板があります。

その拝石の下に納骨室が存在しています。

関東式の開け方をご紹介します。

➀香炉を持ち上げ、他の場所へ移動させます。

➁拝石の隙間にバールなどを挟み、てこの原理を利用して開扉します。

以上の方法でお墓を開けることができます。

拝石はずれることを防ぐ目的と中に水が入らないようにする目的のためにモルタルやコーキング材などで接着されている場合が多いです。

人の手だけで取ることは非常に困難であるため、バールやカッターなどを用いて開けましょう。

重いものを運ぶなど重労働を伴うため、業者に依頼する家庭も多いです。

ご自身でおこなう場合は必ず複数人で作業しましょう。

関西式の開け方

関西式のお墓の多くは納骨室が半地下(地上)にあるタイプの半地下型(地上型)となっています。

関西式の開け方をご紹介します。

➀香炉や花台を横にスライドさせます。

関西式のお墓はなんとこの方法だけで開けることが可能です。

関東式と比べると非常に少ない手順で簡単に開けることができます。

重いものを持ち上げるなどの工程がないため、関西式の場合は女性や高齢者でも業者を呼ばずにお墓を開けることが多いです。

もちろん業者を呼んで開けてもらうことも可能です。

洋式の開け方

洋式の場合でも基本的には関東式・関西式といった和式の開け方と同様になります。

洋式の開け方をご紹介します。

➀香炉を別の場所へ移動させます。

➁拝石がある場合はバールなどを用いて開けます。

以上の方法で開けることができます。

納骨室のフタがない場合

お墓の中には納骨室のフタがなく、ご遺骨が土葬されているタイプも存在します。

明治時代に建てられたお墓はこのようなタイプが多いです。

その場合は自力で掘るか、もしくはパワーショベルなどの重機で掘っていきます。

墓石が建っている場合はその真下、墓石がない場合は土饅頭のように土が盛り上がっている場所の下にある可能性が高いです。

ご遺骨を取り出すためには地下2m前後を掘る必要があります。

ご遺骨を傷つけないよう、注意を払いながら慎重に掘り進めていきましょう。

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お墓を開けた後におこなうこと

お墓を開けることは滅多にないため、また次に開ける機会まで綺麗に保っておく必要があります。

お墓を開けた際にしておくとよいこととして、「納骨室の空気の入れ替え」「骨壺にたまっている水を抜く」「納骨室内の清掃」が挙げられます。

それぞれ詳しく解説していきます。

納骨室の空気を入れ替える

納骨室は排石で封じられているため、空気が入れ替わることがない密閉状態となっています。

お墓を開けたらまず新鮮な空気を取り込みましょう。

納骨室内の空気を入れ替えることで内部の湿度を下げ、カビが生えることを防ぐことができます。

骨壺にたまっている水を抜く

地下型のお墓の場合は特に、骨壺の中に水がたまってしまうことが多いです。

お墓を開けた際に骨壺の水を抜かないと、ご遺骨が水浸しになってしまいカビが生えてしまう可能性があります。

そのため骨壺の中に水がたまっているか確認し、たまっている場合は必ず抜くようにしましょう。

骨壺を逆さにして水を抜こうとするとご遺骨が一緒に出てきてしまう可能性があるので、少しずつ慎重に抜くようにしましょう。

納骨室内の清掃をする

お墓を開けた際は柔らかい布などを使って納骨室内を清掃しましょう。

お墓を開ける頻度は決して多くないため、定期的に手入れできない納骨室内は汚れやカビなどが付着してしまっている可能性があります。

汚れやカビをそのままにしておくと内部から腐食してしまうので、納骨室内を清潔に保つためにもできる限り清掃しましょう。

お墓は自分で開けても良い?

基本的にはお墓の所有者であればご自身で開けても問題ありません。

ただし、開ける際には重いものを持ち上げたり動かしたりするなど体力が必要になります。

高齢者の方などは腰を痛めてしまう可能性もあります。

ご自身で開けることが難しい場合は無理をせずに業者に依頼しましょう。

お墓を開ける際の注意点

お墓をよりよい方法で安全に開けるためにいくつか注意しておきたいポイントがあります。

具体的には、「閉眼供養をおこなう」「複数人で作業する」「汚れてもよい服で作業する」「必ず軍手を着用する」「周囲のものを壊さないよう注意をはらう」「神聖な気持ちでおこなう」が挙げられます。

1つずつ解説していきます。

複数人で作業する

お墓を開ける際は必ず複数人で作業しましょう。

香炉や拝石などの重いものを持ち上げたり移動させたりする作業を1人でおこなうとケガをしたり事故が起きてしまう可能性が高いです。

どうしても一緒に作業できる人がいない場合は業者に依頼することも検討するとよいでしょう。

また古いお墓の場合、納骨室の中にご遺骨が入っていなかったり得体のしれないものが入っていたりする場合があります。

疑いの目を向けられないためにも複数人で作業するようにしましょう。

汚れてもよい服で作業する

お墓を開ける作業は服が汚れる可能性が高いです。

納骨室の中に入り込んで清掃したり、香炉を抱えたりする場合にどうしても服が汚れてしまいます。

そのため汚れてもよい服で作業しましょう。

また動きやすい服を選ぶことも大切です。

必ず軍手を着用する

香炉や拝石を素手で持ち上げたり移動させたりすると手をケガしてしまうことがあります。

最悪の場合、骨折してしまったり爪がはがれてしまったりする可能性があります。

そのため必ず軍手を着用して作業しましょう。

また、なるべく滑り止めがついているものを選ぶと安全性が高まります。

周囲のものを壊さないよう注意をはらう

香炉や拝石を移動させる際、周囲のものに誤ってぶつけてしまうと壊してしまう可能性があります。

事前に周囲に壊れそうなものがないか確認してから作業に入るようにしましょう。

また香炉や拝石を移動させる際はどこに移動させるか必ず検討をつけてから持ち上げるとよいです。

他のものを壊してしまわないか、傷つけてしまわないか心配だという場合は緩衝材を巻くなどして対処しましょう。

神聖な気持ちでおこなう

お墓を開ける作業は神聖な気持ちでおこないましょう。

納骨室はあの世の入口にあたる部分であるため、神聖な気持ちで作業することを心掛けましょう。

手を合わせて「お墓を開けさせていただきます」と一言伝えることが大切です。

閉眼供養をおこなう

閉眼供養とはお墓を開けたり、お墓を元あった状態から移動させたりする際に仏具から故人の魂を抜く儀式のことです。

閉眼供養は「仏具には故人の魂が宿っている」という考えをもつ仏教徒に対してのみ行われる儀式であるため、一部の宗派や仏教以外のお墓では同様の儀式が行われないこともあります。

閉眼供養が必要かどうか気になる場合は、お墓のある寺院や霊園へ問い合わせてみましょう。

仏教の多くの宗派では、お墓などの仏具は単なる「もの」ではなく、対話をするための「場のようなもの」であるという考え方があります。

お墓などの仏具はそれほど「尊いもの」であるため、動かしたり加工するためには閉眼供養によって「もの」に戻さなければ行うことができないとされています。

閉眼供養の流れについてご紹介します。

まず開眼供養をおこなう前にお墓の周りを清掃し、お墓やお供物を捧げます。

その後お墓などの魂を抜く対象の前で僧侶による読経をおこない、焼香をします。

以上が開眼供養の大まかな流れになります。

開眼供養をおこなう際は喪服を着用する必要はなく、ダークスーツなどの平服でおこなうことができます。

また身内のみでおこなうことが一般的で、故人の祭祀継承者が中心となって進めることが多いです。

開眼供養に必要な費用の相場は3万円~10万円程度とされています。

閉眼供養についてさらに詳しく知りたい方は

▶︎閉眼供養とは?方法や閉眼供養が必要になるものまで徹底解説

をご覧下さい。

手元供養なら管理がしやすい

継続的な維持・管理が難しいなどの理由で改葬や墓じまいをお考えの方は、今後どのような方法でご遺骨を管理していこうか悩まれる方も多いでしょう。

近年、多様なニーズに合わせて多くの供養方法が生まれていますが、その中で人気が高まってきている供養方法に手元供養があります。

手元供養はご遺骨を手元や自宅で保管する供養方法です。

手のひらサイズの手元供養品の中に粉骨したご遺骨を封入し、供養します。

手元供養品にはミニ骨壺やアクセサリー、自宅墓などが有名です。

ミニ骨壺は通常サイズの骨壺を小さくしたものです。

一般的な骨壺は無機質な色やデザインのものが多いですが、ミニ骨壺はデザイン性に優れたものが多くあります。

ネックレスやブレスレットなどのアクセサリーにご遺骨を封入して供養する方法もあります。

アクセサリーは手作りすることも可能です。

手作りしてみたいとお考えの方は

▶︎手元供養品は手作りできる?自分で作れるおすすめの手元供養品5選

をご覧ください。

自宅墓は通常のお墓を小さくし、自宅に置けるサイズにしたものです。

自宅墓にはガラス製のものも存在し、デザイン性や石のお墓と比べて軽いため移動させやすい点などから多くの方に選ばれています。

手元供養は一般的なお墓のように維持・管理に手間や費用がかからないため、お墓参りに行くことが難しい方や費用を抑えたい方などから選ばれています。

また故人を身近に感じることができ、いつでも手を合わせることができます。

手元供養ついてさらに詳しく知りたい方は

▶︎手元供養とは?種類や費用、メリット・デメリットまで徹底解説

をご覧ください。

小さなお墓KOBO

手元供養の1つとして小さなお墓KOBOが注目されています。

小さなお墓KOBOはガラス製のお墓で、著名クリエイターが1つ1つ手作りした温かみのあるデザインが特徴的です。

インテリアとしても馴染みやすく、サイズも小さいため置き場所にも困りません。

お墓などの他の供養方法と比較しても初期費用や維持・管理費用が少なくて済むというメリットもあります。

小さなお墓KOBOについてさらに詳しく知りたい方は

※ブリーズガーデン KOBOについて

をご覧下さい。

お墓を開ける際は安全第一で作業しよう

お墓は地下型の多い関東式や半地下型の多い関西式などで開け方に多少異なる部分があります。

ご自身が所有されているお墓がどのタイプなのか事前に確認してから作業にうつるとよいでしょう。

もしお墓のタイプが分からない場合は、お墓の建設を依頼した石材店や霊園・墓地などに問い合わせて確認することが可能です。

また作業は安全第一でおこないましょう。

お墓を開ける作業には重いものを持ち上げたり動かしたりする場合が多いです。

そのため必ず複数人でおこない、軍手を着用するなどしてケガや事故を予防しましょう。

複数人で作業することが難しい方や、体力に自信の無い方は無理をせずに業者に依頼することも検討してみてください。

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