散骨はトラブルが多い?トラブルを避けるための対策を解説

頭を抱える40代女性

近年、お墓の管理や場所の問題や納骨に比べると費用が抑えられるといった理由から「散骨」という供養方法が注目されています。

一方で、散骨に対するルールやマナーに対する知識が足りないと、トラブルに発展してしまう場合もあるようです。

トラブルなく散骨をするために、実際に起こったトラブルを学ぶことで必要な対策を理解しておきましょう。

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散骨とは

故人が亡くなると、火葬を行い遺骨ができます。

通常の場合、お墓に納骨して供養していきますが、粉末状に砕いた遺骨の粉を海・山・空などに撒き、自然に返す葬送方法のことをいいます。

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散骨の種類

散骨の方法はご遺骨をまく場所によって、海洋散骨と山林散骨の2つに分けられます。

海や山など自然にご遺骨をまくため、自然葬の一つとして注目を集めている供養方法です。
そのほかにも、少しずつ認知され始めている宇宙散骨があります。

海洋散骨の費用ついてさらに詳しく知りたい方は▷散骨の費用相場はいくら?種類ごとの相場や費用を抑える方法も
をご覧ください。

海洋散骨とは

海へご遺骨をまく海洋散骨は、海へ還りたいという希望を叶える散骨方法です。

地域によっては条例で散骨を禁止している自治体があります。

また、海水浴場や漁場など生活圏に近いところではなく、周りへ迷惑にならないようモラルと節度をもって行う必要があるため、船で沖から離れた場所まで行って散骨するのが一般的です。

ご遺族様自身が船を所有している、またはチャーターできる方を除き、海洋散骨は専門業者に依頼するのが主な方法です。
専門業者に希望を伝えたり、分からないことを相談したりしながら準備できるため、安心して故人様とのお別れの日を迎えることができます。

多くの専門業者では、船を貸切って行う個別散骨と複数のご遺族様で乗船する合同散骨のプランを用意しています。

山林散骨とは

山林散骨は、名前の通り山へご遺骨をまく方法です。登山が好きな方や山へ思い入れがある方は選ぶことが多いのではないでしょうか。

周囲の迷惑にならないように人がいない場所で散骨を行うことはもちろんですが、その場合にも注意が必要です。
たとえば、山には所有者がいるため、その方の許可を得なければ散骨することができません。
ご自身の所有地であれば問題ありませんが、まずは散骨したい山の所有者の許可を得るようにしましょう。

ご自身で所有者の許可を得たり、散骨できる場所かどうかを調べたりすることが難しいという方は、山への散骨を取り扱っている専門業者を見つけて依頼するのがトラブル防止にもなって安心です。

宇宙散骨とは

特に新しい方法である宇宙散骨は、初めて知るという方も多いのではないでしょうか。

現代の技術の進歩によって、さまざまな方法でご遺骨を宇宙へ飛ばすことが可能になりました。

主にバルーンやロケットを利用した散骨が実施されています。
バルーン散骨は、環境に優しい特殊素材で作られたバルーンにご遺骨を入れて空に向けて飛ばします。
バルーンが成層圏に達すると気圧の変化で破裂するため、そのときにご遺骨が成層圏へと飛びだして宇宙空間へ流れていく仕組みです。

ロケット散骨は、ご遺骨をカプセルに詰め地球の周回軌道上までロケットで打ち上げたり、人工衛星にご遺骨を乗せて宇宙空間まで運んだり、驚くような方法で行われます。

散骨のトラブルにはどんなものがある?

散骨時のトラブルには大きく分けて以下のようなものがあります。

  1. ①遺族とのトラブル
  2. ②業者とのトラブル
  3. ③お寺とのトラブル
  4. ④近隣住民とのトラブル

海洋散骨のトラブルについては、あわせてこちらもご覧ください。▷海洋散骨は違法?違法になってしまうケースや対策を紹介

散骨を行うということ自体や、細かな内容に遺族が納得をしていない場合に遺族とトラブルになってしまうことがあります。

また、散骨業者の選択を誤ってしまい、遺族の納得できるような散骨を行うことができず、トラブルとなってしまう場合もあります。

意外と忘れがちなのが、お寺とのトラブルです。散骨に対するお寺との理解の相違からトラブルに発展してしまうこともあります。

もともと一族が入るお墓が用意されている場合や、散骨を行うために納骨したご遺骨をお墓から出す場合などに起こる可能性があります。

海や山で散骨をする際に、近隣に済む住人の方とトラブルになってしまうこともあります。

自治体によっては条例によって、散骨を規制している場合もあります。

散骨を行う場合、このように大きく分けて4つの相手とトラブルになる可能性があります。

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散骨時の遺族とのトラブル

次に、それぞれのトラブルの事例を紹介していきます。

詳しい内容を理解して、事前に対策できるようにしていきましょう。

トラブル①散骨を遺族に反対される

散骨自体が新しい供養の仕方であるため、特に年配の方の中には抵抗を感じる方もいらっしゃるようです。

また、人によっては「縁起が悪い」と「違法だ」という思い込みから反対をされ、トラブルに発展してしまうこともあるようです。

トラブル②遺骨を全部撒いてしまう

ご遺骨を全て散骨をしてしまった後にトラブルになることもあるようです。

散骨をするとお墓や手元供養などのように、いつでもご遺骨にお参りができる状態ではなくなってしまいます。

故人をそばで感じていたいという考えを持つ方には受け入れられない場合もあるでしょう。

そのため、遺族に伝えず遺骨を全て散骨してしまうと、トラブルの原因になってしまうこともあるようです。

トラブル③勝手に墓じまいしてしまう

先祖が眠るお墓のご遺骨を散骨し、お墓に入っているご遺骨がなくなったため墓じまいをしてしまったことでトラブルになってしまう可能性もあります。

先祖代々お墓を守ってきた親族からすると、お墓がないことに抵抗を感じる方もいるでしょう。

そのため、親族に伝えず勝手に墓じまいをしてしまうとトラブルになってしまうことがあります。

散骨時の業者とのトラブル

トラブル④天候が悪く出港できない

海で散骨する、海洋散骨という散骨の仕方において起こるケースです。

海洋散骨は主に船を用いて散骨する場合が多いですが、天候が悪化すると出航ができません。

場合によっては延期や欠航を余儀なくされることもありますが、これは安全に航行をするためには避けることができません。

基本的にはトラブルになることは少ないですが、散骨業者の説明が不十分だとトラブルに発展してしまうことがあるようです。

例えば、「晴れているが波が高いため出航できない」といった場合、説明が不十分だと「天候の影響だと説明されたが、晴れているじゃないか。なぜ出航してくれないのか。」と遺族が感じ、散骨業者との間でトラブルになる可能性があります。

トラブル⑤生前予約した会社が倒産する

故人が生前予約して入金も済ませていたが、散骨業者が倒産してしまったという場合にトラブルになることもあります。

破産後に業務が他社に引き継がれていれば問題ありませんが、場合によっては返金対応さえ受けられないこともあります。

契約書によっては法的拘束力を持たないものも存在するため、金銭問題でトラブルに発展することが多いようです。

また、故人が生前予約をしたと言っていたが、どこに予約したかわからないといったケースも考えられます。

トラブル⑥悪質な業者に依頼してしまい適切に散骨してもらえない

散骨業者を開業するにあたって資格や認可は必要ありません。

そのため、知識や経験がなく適切な散骨を行なわない、条例などの決まりを守らないといった業者も存在するようです。

中には「そもそも散骨をしない」「会社の実体を持ない」「もとから倒産するつもりで依頼を受ける」といった業者も存在するようです。

散骨時のお寺や近隣住民とのトラブル

トラブル⑦住職に散骨を怒られる

散骨という行為自体を宗教的に議論されるケースは少ないようですが、家ごとの状況においてはトラブルに発展してしまう可能性があります。

特に故人が檀家に所属する場合には、トラブルになってしまうことが多いようです。
檀家とはお寺を経済的に支援する信徒のことです。

中にはご本人や遺族が知らなくても先祖代々、特定のお寺の檀家になっている場合もあるようです。

お寺は檀家を「寺院に所属する一家」と認識します。

そのため、檀家が寺院で供養をしないとお寺側は収入に関わるため、「散骨をすると伝えたら、高額なお布施を要求を要求された」といったトラブルに発展することもあるようです。

トラブル⑧マナーを守らずに散骨をして近隣住民とトラブルになる

「私有地」「漁を行う場所」「海水浴場」などで勝手に散骨してトラブルになるケースもあります。

上記はもちろん「事前に許可を取る」「周りに配慮する」といった対策の必要がありますが、「私有地だと知らずに散骨してしまった」というパターンもあります。

また、散骨をする際はご遺骨を粉状にするため、撒いた場所は問題なくても、風や海流によって「私有地」や「漁をおこなう場所」入ってしまいトラブルへ発展することもあるようです。

散骨時にトラブルを避ける3つの対策

事前に周囲に相談しておく

親戚間でしっかりと話し合った上で散骨を行いましょう。

特に年配の方の中には、散骨は「縁起が悪い」「違法である」と考えている人が多く、その状態で事前に相談をせずに、散骨を行ってしまうとトラブルに発展する可能性が高いです。

そうならないためには、事前に散骨について詳しく説明して「違法ではない」「縁起が悪いことではない」ということを理解してもらうことが重要です。

親族以外にご遺骨の話をすることに抵抗がなければ、住職や散骨の知識や経験がある方などを交えて相談をしてみても良いでしょう。

また、事前に特定のお寺で檀家になっていないかなどの確認をすることでお寺とのトラブルを避けることもできます。

散骨自体を反対されてしまった場合には、全てのご遺骨を散骨するのではなく別の供養の仕方を提案してみても良いでしょう。

例えば、ご遺骨を装飾品などに加工して自宅に置いておく手元供養を行えば、供養をした後でも常に故人を身近に感じることができます。

手元供養には、綺麗なガラス製のお墓「小さなお墓KOBO」がおすすめです。

詳しく知りたい方は▷小さなお墓KOBOについてをご覧ください。

すべての遺骨を散骨しない

遺骨をすべて散骨してしまうと、故人を象徴するものが何もない状態になります。

すべて散骨せず、一部は手元に残しておくのがおすすめです。

手元に遺骨があれば自宅供養をしたり、先祖代々のお墓に納めたりすることも可能です。
故人の希望を叶えつつ、遺族の意見も尊重できます。

菩提寺への報告・相談もする

現在お世話になっている菩提寺がある場合には、事前に相談しておきましょう。

できれば海洋散骨を希望する方自身が、生前から相談に行くことをおすすめします。
快く思われない菩提寺の方もいるかもしれませんが、先祖代々のつながりがあることを忘れず、できるだけ理解を得られるよう話し合いを進めましょう。

海洋散骨後には、長年お世話になったお礼の気持ちも込め、セレモニーが滞りなく終えられた報告をすることも大切です。

値段で業者を選びすぎない

値段ばかりを見て業者を選ぶと、ルールやマナーを逸脱した散骨をされてしまい、プラン内容が充実しておらず追加料金を払う羽目になるといったトラブルになりかねません。

サービス内容や実績、クチコミなどもチェックし、総合的な評価で信頼できる業者を選ぶと、失敗も少なく済むでしょう。

適切な散骨業者を選定する

誠実にサービスを行っていて、散骨で起こりうるトラブルや気をつけるべき点を熟知している業者を見分けることさえできれば、過度に心配する必要はないでしょう。

ただし、散骨業者の開業にあたっては、認可や国家資格の取得が必須ではないため適切な業者であるのかを見分けることは難しく感じるかもしれません。

そこで、適切な業者であるかを見分けるために着目するべき2つのポイントをご紹介します。

散骨の知識がある業者かを確認する

散骨の際にはご遺骨を粉状に粉骨をしなければ、死体遺棄罪等の刑法に抵触してしまうこともあります。

そのため、日本の多くの業者ではご遺骨を約2mm以下のサイズまで粉骨することがほとんどです。

こうした知識は散骨業者の中では一般的であるため、「粉骨はどれくらいのサイズまで行いますか?」のように質問して、粉骨の知識がしっかりあるかを確認することも一つの手です。

料金プランは事前に確認しておく

ホームページなどに記載されている料金は、明確でない場合もあります。
特に「○円より」「最低価格○円」といった文言には注意が必要です。

業者選びに失敗しないために、いくつかの業者に見積もりを依頼し、希望の内容に関する明確な料金を提示してもらうとよいでしょう

料金に含まれているサービスを細かく確認し、追加料金の有無などについても納得いくまで質問すれば、追加料金などのトラブルを回避できるでしょう。

不定期航路事業許可申請を行なっている

散骨業者の開業に認可や資格は必要ないと述べましたが、散骨業の営業をするにあたっては必要な申請が存在します。

特に海洋散骨を行うためには不定期航路事業許可申請というものを行っている必要があります。

この申請は海洋散骨だけでなくクルーズや旅客を行う際にも必要となるもので、申請を行っていなければ船は自家用に航行しているとみなされ、営利を得ることができません。

そのため、ホームページで確認をしたり、実際に申請を行っているかを聞いてみることも良いでしょう。

海洋散骨には、ブリーズガーデンがおすすめです。

ブリーズガーデンでは、安全な海洋散骨をするために不定期航路事業の届出をして海洋散骨サービスを行っています。

また、豊富な実績を活かしてお客様に合ったご提案を行うことができます。

詳しく知りたい方は▷ブリーズガーデンの海洋散骨サービス をご覧ください。

マナーを守って散骨する

現在の日本において、散骨という行為自体を違法だとする法律や条例はありません。

しかし、適切な粉骨加工を行わないと近隣住民の方とのトラブルにつながる原因になるだけではなく、死体遺棄罪に抵触してしまう可能性もあります。

また、自治体によっては漁業を行う海域など、散骨を禁止している地域を定めている場合もあります。

トラブル避けるためには法律や条例に反しないことは当然ですが、社会通念上のマナーやモラルにも留意をした上で行うことが必要です。

散骨が行える場所ついてさらに詳しく知りたい方は▷散骨はどこでできる?できない場所や場所を選ぶときの注意点を解説
をご覧ください。

海洋散骨のメリット

近年注目されている海洋散骨ですが、さまざまなメリットがあります。

ここからは海洋散骨のメリットについて紹介していきます。

経済的な負担を少なくできる

海洋散骨の場合、お墓は必要ありません。

お墓を建てる必要がないことから、霊園や菩提寺に対する維持費や管理料を支払う義務も生じません。

ですので、ご親族の経済的負担を軽くすることができます。

お墓不足や後継者がいないことも解決できる

現代は、少子化や核家族化が進み、住む場所は自由に選べます。

そのため、家族や親族の多くが近くに住んでいた従来と異なり、「お墓の後継者がいない」「墓守がいない」といった問題が起こるようになりました。

また、菩提寺や霊園の経営破綻などが原因でお墓自体が不足し、「葬儀が終わったのに納骨できない」といったトラブルもゼロではありません。

一方、海洋散骨はお墓に納骨しないため、お墓の維持・管理をする必要がありません。
さらに、お墓自体を建てないため、後継者不足やお墓不足といった問題の解消につながります。

散骨がしやすい

山林散骨は土地の所有者から許可を得なければ散骨できません。

宇宙散骨は遺骨や副葬品の量に制限があることに加え、遺族の手で直接散骨できないという問題があります。

海洋散骨は、制限や制約が多いほかの散骨方法に比べると、散骨場所や業者が多く、条件も整いやすい散骨方法です。

そのため、散骨希望者の有力な選択肢となりうる方法といえるでしょう。

散骨のトラブルについて理解をして事前に対策をしておこう

散骨は故人を感じることのできる最後の瞬間だと感じる方も多いはずです。

弔う気持ちで行ったはずがトラブルの原因や迷惑になってしまうと、故人もご遺族もいい気分にはならないでしょう。

そうならないためにも、散骨で起こりうるトラブルについて理解し、事前に対策することで、気持ちよく故人を送り出せるようにしていきましょう。

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