お墓と仏壇はどちらが先?それぞれのお参りの手順も解説
あなたはお墓と仏壇にお参りをする時どちらを先に行きますか?
先に行くべきなのはどちらか悩む人は多いと思います。
また、それぞれのお参りの際での自分の作法が正しいのかどうかで不安に感じる方も少なくないでしょう。
この記事ではお墓参りと仏壇参りの順番やその手順、またお墓と仏壇の相違点について詳しく解説していきます。
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目次
お墓参りと仏壇参りはどちらが先か決まりがある?
お墓参りと仏壇参りはどちらが先かは実は明確な決まりはありません。
そのため、その人にとって優先させたい方に先に行くようにするのが良いでしょう。
また、仮にどちらに行けばよいか迷った際には先に仏壇の方に「今からお墓のほうにも行ってきます。」と挨拶をしてからお墓参りに行くのが良いでしょう。
お盆やお彼岸の際は、一度仏壇にご飯やお菓子などを用意して挨拶に行きます。
挨拶をした後にお墓参りに向かい、お墓参りを終えたらまた仏壇に故人へ挨拶をしましょう。
お墓参りも仏壇参りもどちらもその人によって順番は変わってきますが、大切なのはどちらにも心を込めて挨拶をすることです。
お墓参りと仏壇参りはどちらが大事?
お墓参りと仏壇参りに優劣をつけることはできるのでしょうか。
お墓とは先祖代々の遺骨を祀っているものであり、仏壇とは小さなお寺のようなものです。
そして両者にはそれぞれに故人の魂が宿っており、これに対して優劣をつけることはできないのです。
そのため、お墓参りも仏壇参りもどちらも故人へ挨拶ができる貴重な存在であり、優劣をつけることはできません。
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お墓参りの手順
お墓参りをする際の手順について詳しく知らない方も少なくありません。
そこでここからはお墓参りの手順やその時期についてご紹介します。
お参りの時期やタイミング
昔のはお墓参りは今よりも身近なものであったそうです。
集落のすぐ近くにお墓があったことから、ほとんど毎日お墓参りを行っていました。
しかし、今日ではなかなかこの頻度で行くことは難しくなってしまいました。
そのため、命日・祥月命日や年忌法要、お盆・お彼岸などのタイミングでお墓参りに行く人がほとんどです。
お墓参りはこれらの時以外でも行くことができるため、自分の中でのタイミングや生活の変化などに伴ってお参りに行くことも良いでしょう。
お墓の掃除をする
お墓参りでお墓を訪れた際は、まずはお墓の掃除を行いましょう。
はじめに手を清めてから掃除を行います。
ひしゃくで水をすくい墓石にかけていき、この時に周りの雑草や枯草、苔もしっかりと取り除きましょう。
故人に挨拶をする前にしっかりと墓石を綺麗な状態にすることが大切です。
お供えをする
掃除が終わったら故人にお供え物をします。
お供え物を置く際は半紙を半分に折ったものを下に敷きますが、そのまま食べられる状態にしてお供えしましょう。
パックに入った食べ物の場合、パックの蓋を開けた状態でお供えします。
この時に墓石にお酒をかけることはやめましょう。
変色やカビの原因になってしまうため、基本的に水以外の液体はかけてはいけません。
故人が生前お酒が好きで、どうしてもお供えしたい場合は蓋や栓を閉めた状態でお供えしましょう。
また、お供えしたものはすべて持ち帰ります。
飲食物をそのままにして帰ってしまうと腐ったり、動物に荒らされる可能性があります。
また、花をお供えした場合もできれば持ち帰ることが好ましいです。
このようにお墓参りをする際はただ自分たちのお参りを意識するだけでなく、故人やご先祖様の墓石の管理や周りの親族への環境の配慮も忘れてはいけません。
仏壇参りの手順
お墓参りに続いて、仏壇参りをする際の手順についてご紹介します。
まず仏壇参りの基本的な流れは以下の通りです。
- 仏壇の前に正座して、ご本尊に一礼する
- あいさつの後にお供え物をする
- ロウソクと線香に点火し、手を合わせ念仏などを唱える
- 一礼した後に下がる
手順を守って供養することで、心のこもった供養をすることができます。
その他の仏壇参り
お墓よりも身近で供養しやすい仏壇参りもあります。
高齢の方や体が不自由な方でもお参りしやすい仏壇参りは一日に2回朝と夜に行います。
朝は扉を開け、掃除を行った後にお供えをします。
朝食が終わったらお供え物を下げ、ろうそくの火を消します。
扉が二重になっている場合は内側の扉のみを閉めましょう。
夜はその日一日の感謝を込め、お参りをして扉を閉めます。
この時ろうそくの火を消すことを絶対に忘れないようにしましょう。
仏壇参りでの注意点
仏壇参りをする際に注意すべき点がいくつかあります。
まず仏壇に遺影を置かないということです。
仏壇の目立つ位置や手前に遺影を置いてしまうことでご本尊が隠れてしまうからです。
ドラマで仏壇に遺影が置いてあるシーンを見たことがあると思います。
しかしあれはおそらく演出用のものであるため、基本的に遺影は居間などの普段から目にしやすい場所に置きましょう。
また仏壇参りをする際に、仏壇に置いてあるお鈴と呼ばれるカネを鳴らす方も多いと思いますが、これは正しい行いではありません。
このカネはお経を読む際に故人を呼び寄せる際に使うものであり、ただ合掌をする際は鳴らす必要はありません。
服装に関する注意点
加えて服装に関してですが、これは自宅というよりも、知人の実家を訪問してお参りをする際に特に気をつけなければいけません。
礼服まではいかなくとも、ある程度フォーマルな服装にしましょう。
このようにお墓参りだけでなく仏壇参りをする際にも注意するべきことは多くあります。
正式な作法を意識してお参りできるようにしましょう。
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お墓と仏壇の違い
お墓と仏壇は似ているようで違う特徴を持っています。
それぞれの特徴とその違いについて説明します。
お墓
お墓は墓地や霊園などの野外に建てられる石でできた建造物であり、中に先祖代々の遺骨が収められています。
これは故人やご先祖さまを祀るためのものです。
仏壇
仏壇は家などの屋内に置かれる祭壇であり、位碑と仏像や仏画が配置されています。
仏壇は仏様を祀るためのものであり、小さなお寺としての役割を担っています。
このように両者の違いとしては設置される場所や遺骨が収められているのか、位碑であるのかなどが挙げられます。
お墓と仏壇の共通点
お墓と仏壇の共通点をご紹介します。
この両者には若干の違いがあるものの、どちらも故人の魂が宿っているものであり私たちはどちらにもお参りすることができます。
そのため、お墓であっても仏壇であっても私たちにとってはその価値は変わらないのです。
備えてはいけない花
お墓や仏壇に供えてはいけない花がいくつかあります。
ここからはお供え物として適していない理由とその花の種類を解説します。
まずお墓や仏壇へのお供え物に適していないものとしては、毒や棘があるものやにおいがきついものです。
理由としては縁起が悪かったり、周りににおいが移ってしまったりするからとされています。
例を挙げると、毒がある彼岸花やスズラン、棘があるバラやアザミ、においが強いバラなどがあります。
お供え物に向いているもの
お墓や仏壇へのお供え物として花以外にも適しているものがあります。
お供え物は基本的に故人が生前好んでいたものが好ましいですが、なんでもお供えすることはできません。
特に仏教の世界での殺生にあたる肉や魚は相応しくありません。
以下に記載する5つの項目は仏教でお供え物として基本とされている五供(ごくう)と呼ばれるものです。
- 香
- 花
- 蝋燭
- 浄水
- 飲食
線香のことを指します。
お墓や仏壇に供える墓花または仏花のことです。
ロウソクのことを指します。
水やお茶のことを指します。
なお、この時の水は水道水でも構いません。
ご飯のことです。
ご飯は普段私たちが食べているものです。
飲料や食べ物に関してはお供えの後にお下がりとしていただくことができます。
そうすることで故人やご先祖様との繋がりを感じることができるのです。
お線香の上げ方
お墓参りや仏壇参りの際にあげる線香にも作法があります。
以下に記載の手順に沿って行えるようにしましょう。
- ロウソクの火をいただいて線香に点火する
- ついた火は必ず手で仰いで消す(この時息を吹きかけて消すことはタブーとされる)
- 香炉に線香を立てる
線香を挙げる手順はおおむねこの順番ですが、香炉への線香の立て方はその宗派によって変わってきます。
宗派による線香の立て方
- 浄土宗は1~3本の線香を真ん中に立てます。
- また、浄土真宗は1本の線香を2等分か3等分に折り、そのまま寝かせます。
- 天台宗または真言宗は3本を逆三角形の形に模して立てます。
- 日蓮宗または禅宗は1本の線香を真ん中に立てます。
このように線香のあげ方は分かっていたつもりでも意外と詳しくは知らないことがたくさんあります。
基本的な作法とその宗派による香炉への立て方の違いをしっかりと意識して線香をあげることが好ましいです。
お墓と仏壇で念仏を唱えるときに気をつけること
お墓でも仏壇でもお参りの際に念仏を唱えることはイメージしやすいです。
実はこの念仏もそれぞれの宗派によって変わってくるのです。
- 浄土宗、浄土真宗、天台宗「南無阿弥陀仏」(なむあみだぶつ)
- 禅宗「南無釈迦牟尼仏」(なむしゃかむにぶつ)
- 真言宗「南無大師遍照金剛」(なむだいしへんじょうこんごう)
- 日蓮宗「南無妙法蓮華教」(なむみょうほうれんげきょう)
このように同じ仏教でも宗派が変わるだけで唱える念仏は変わってくるのです。
その理由としましては、それぞれの宗派では幸せになる念仏が異なるからです。
また、必要なことへの解釈がそれぞれ違うため、その違いが念仏にも表れているのです。
しかしどの宗派であっても、念仏を唱えるときに故人を想う心が最も大切なことには変わりはありません。
まとめ
今回はお墓と仏壇へお参りする順番やその手順、またその時の注意点や作法、両者の相違点について解説しました。
お墓と仏壇は全く同じものではありませんが、どちらも故人の魂が宿り、私たちにとっても大切なものであることに違いはありません。
今回の内容を意識して、大切な故人やご先祖様には正しい作法で心を込めたご挨拶とお参りをしましょう。
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