自分で粉骨を行う方法とは?粉骨のマナーと注意点を解説
海洋散骨や手元供養などを行う際に、必要な過程の一つが粉骨という作業です。
粉骨とは、ご遺骨を砕いてパウダー状にする作業のことを指します。
基本的に専門の業者に依頼することが一般的ですが、自分で粉骨を行いたいと考えている方もいらっしゃるかと思います。
そこで、この記事では、自分で粉骨をする際の方法や注意点を解説していきます。
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目次
粉骨は自分で行ってもいい?
そもそも、粉骨とはご遺骨を扱う作業です。
この粉骨を自分で行うことは可能なのでしょうか。
結論から言うと、自分で粉骨を行うことは可能です。
粉骨を行うことは法律上可能なため、自分で行っても法に触れることはありません。
しかし、ご遺骨はお墓や仏壇などを相続する方に所有権があるため、その方の許可が必要です。
また、ほかのご遺族ともしっかりと話し合うことも重要です。
粉骨を行う場合、元に戻すことはできないためしっかりと許可を取るようにしましょう。
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自分で粉骨を行う場合に必要な道具
自分で粉骨は可能ですが、事前に必要な道具を揃えていないと自力で行うことが困難な場合があります。
自分で粉骨を行う際には
- 手袋
- マスク
- 金槌・木槌
- 乳鉢・すり鉢
- ミル
といった道具が必要です。
ここで挙げた道具の多くは、ホームセンターやドラッグストアなどの一般的な量販店で手に入れることができます。
もしも、自身で適切な道具を手に入れることが難しいと感じた場合は、レンタルしてくれる専門業者も存在するので相談してみるのも良いでしょう。
ここでは、自分で粉骨を行う際に必要な道具について、選び方や用途などをそれぞれ詳しく解説します。
手袋
ご遺骨の中には強度が高い部位も多く、粉骨を行う際にはしっかりと固定を行った上で行わなければ難しいです。
ご遺骨をしっかりと掴むためには、グリップ力のある手袋を選ぶと良いです。
具体的には、ゴムやラバーなどの素材で滑り止めの加工がされているものが適しています。
また、ご遺骨を粉骨する際に手を怪我しないためにも手袋は必須です。
軍手などの繊維があるものは、ご遺骨が繊維に絡まってしまう可能性があるため避けた方が良いでしょう。
そのため、革製のものを選ぶか、軍手の上から薄いゴム製の手袋を着用するなどの工夫を行うことがおすすめです。
マスク
自分で粉骨する際にはどれだけ丁寧に粉骨を行っても細かい粉末が飛んでしまいます。
ご遺骨の中には身体に悪影響を及ぼす物質も混入する可能性があるため、マスクは必ず使用しましょう。
ご遺骨の中にはもろく崩れやすいものもあります。
そうしたご遺骨を粉骨すると、肉眼で確認することが難しいほどの微細な粒子として拡散します。
そのため、粉骨を行う際には、比較的繊維の荒い傾向にある布マスクやガーゼ素材のマスクよりも、繊維の凝集している不織布のものの方が適していると言えるでしょう。
また、ご遺骨を吸い込んでしまうことが特に気になる方は「防じんマスク」などの商品名で販売されている高性能のマスクを用意することもおすすめです。
少し値段は張ってしまいますが、一般的なホームセンターでも入手でき、ご遺骨を吸い込んでしまう可能性を限りなく下げることができます。
金槌や木槌
ご遺骨を粉骨する前に、ある程度適切な大きさにご遺骨を砕く必要があります。
この際に金槌や木槌があると、スムーズに粉骨を行うことができるでしょう。
ご遺骨の中でも、特に大人のご遺骨を適切な大きさにするのはかなり力が必要です。
無理に手などで行うと、予期せぬ怪我に繋がる恐れがあるので注意しましょう。
金槌や木槌を選ぶ際には先端の木や金属の大きめなものも用意すると良いでしょう。
軽くて小さいものは振り上げるために必要な力も小さく済むため、力に自身のない方でも扱いやすいという特徴があります。
ただし、先端の小さいもので大きなご遺骨を細かくする場合は、何回も振り上げる必要があります。
何回も振り上げると疲労も溜まりやすく、時間がかかってしまうことがあります。
意外に感じるかもしれませんが、力に自信のない方こそ先端の大きいものがおすすめです。
先端の大きなものは振り落とす際にあまり力を加えなくても自重で衝撃を与えることができます。
また、広範囲に衝撃が与えられるため一回振り下ろすだけで多くの粉骨ができます。
乳鉢・すり鉢
乳鉢・すり鉢を使用し、ご遺骨をすりつぶすために使用します。
散骨などの供養を行うためには、ご遺骨を細かく砕いていないとトラブルの原因となるだけでなく法律や条例に触れてしまうことがあるためです。
乳鉢は一般的に大きなサイズがないため、複数回に分けて作業を行う必要があります。
すり鉢は一般家庭にもあることが多く、大きいサイズのものでも比較的入手することができるため、作業がしやすいメリットがあります。
しかし、すり鉢には溝があるので粉状になったご遺骨が溝に入ってしまいます。
その際にはハケなどを使用し溝に入った粉末を掃きながら作業する必要があります。
散骨を行う際などの粉骨の必要性や適切な粉骨の大きさについて詳しく知りたい方は▷散骨は自分でもできる!自分でできる散骨のやり方、注意点を解説をご覧ください。
ミル
必要に応じて、食品を細かくする際に使用するミルを使用することもあります。
すりつぶす作業よりも比較的少ない労力で粉骨することが可能です。
ご遺骨には身体に悪影響のある物質が含まれる可能性があるため、一度使用したミルはそのまま使用しない方が良いでしょう。
また、ミルだけでなくミキサーなどの器具も粉骨に用いることができます。
ただし、ミキサーを用いる場合も粉骨の食品の調理用として使うには抵抗を感じる方が多いでしょう。
特に、ミキサーとモーターの結合部などどうしても細かくなったご遺骨を取り除くことが難しい部分もあります。
人体への影響という面もありますが、何より精神的に抵抗を感じる方が多いと思います。
新たにミキサーを購入する費用も踏まえた上で使うようにすると良いでしょう。
ミルやミキサーで粉骨を行う方法や注意点ついてさらに詳しく知りたい方は▷ミキサーで粉骨をすることは可能?手作業とどっちがいい?をご覧ください。
自分で粉骨を行う場合の手順
自分で粉骨を行うにあたっての手順を解説します。
手順によってもいくつかの方法があるので、自分のやりやすい方法で行いましょう。
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手順①骨壷からご遺骨を取り出す
ご遺骨を骨壷から取り出し、金属などご遺骨以外のものが入っていないかを確認しましょう。
金属が入っていた場合、そのまま粉骨をすることができないため、丁寧に取り除きます。
骨壷の湿度が高い場合、水が溜まってしまったりご遺骨が水分を含んでしまったりするため、粉骨がしやすいように水分を飛ばす必要があります。
水分を飛ばす代表的な方法を紹介します。
ドライヤーを使う
ドライヤーの風を当てることで比較的短時間で乾燥させることができます。
ドライヤーを使用する場合、風で細かいご遺骨が飛ばないように袋などに入れて行うと良いでしょう。
自然乾燥
天日干しの要領で、バットや新聞紙にご遺骨を広げて乾燥させる方法です。
ご遺骨の状態にもよりますが、数日かかる場合が多いです。
乾燥剤を使用する
ご遺骨と乾燥剤を同じ袋に入れて乾燥させる方法です。
乾燥剤の大きさによりますが、小まめに交換するようにしましょう。
この作業も自然乾燥同様に数日行います。
手順②ご遺骨を小さくする
しっかりとご遺骨を乾燥させた後は、ご遺骨を小さくする作業を行います。
ご遺骨を小さくするためには
- 袋に入れて叩く/li>
- すり鉢を使用する
- 押しつぶす
- ミルを使う
- 乳鉢ですりつぶす
といった方法がありますが、これらの方法はどれも時間がかかるため根気よく作業することが大切です。
ここではそれぞれの方法について、細かな手順や注意点を解説します。
袋に入れて叩く
ご遺骨を密閉できる袋に入れ、叩いて細かくする方法です。
この方法を行う際は、袋が破けないように袋を二重、三重にすると良いでしょう。
また、非常に時間がかかるため体力も必要になります。
何より、自分で粉骨する場合は精神的な負担も考慮した方が良いかもしれません。
すり鉢を使用する
すり鉢を使用して細かくする方法です。
すり鉢は大きいサイズでも比較的簡単に購入することができます。
しかし、すり鉢には溝があるため粉骨したご遺骨が粉状になって溝に入ってしまいます。
その都度ハケなどで掃く作業が必要になります。
押しつぶす
十分乾燥させたご遺骨は状態によっては手で細かくできる場合もあります。
しかし、大きいご遺骨はかなりの力が必要になることも多いため、手作業で全てを行うのは難しいと考えて置いた方が良いでしょう。
ミルを使う
ミルを使用することで、比較的スムーズにご遺骨を細かくすることが可能です。
しかし、ミルの大きさによっては多くの時間がかかります。
また、使用後のミルは精神的にも衛生的にも、そのまま使用するのはやめておいた方が良いでしょう。
乳鉢ですりつぶす
すり鉢と同じように乳鉢を使用してご遺骨を細かくする方法です。
乳鉢はすり鉢と異なり溝がないため、粉を掃く必要がありません。
しかし、元々は調剤の際に使用するため、小さいサイズのものが多いです。
大きいものだとそれなりに高額な費用がかかるため、費用を抑えたい方にはおすすめできる方法ではありません。
また、すり鉢同様体力と根気は必要です。
手順③容器に入れて保存する
散骨する場合は、水分が付着していない容器に粉骨したご遺骨を入れ保存します。
ご遺骨は有機物のため、可能であれば真空パックなど酸素に触れない方法での保存が最適ですが、散骨の日取りが近ければ気にする必要はありません。
ただし、カビなどの繁殖を防ぐためにも高温多湿な場所は避けて保存することをおすすめします。
また、長期的な保存を検討している場合、保存は専門の業者にご相談した方が良いでしょう。
ご遺骨を長時間保存する時にどんなに注意をしても、環境の変化などに対応できない可能性もあります。
専門の知識を持った業者に問い合わせを行うことで、大切な故人をしっかりと手元供養できるでしょう。
粉骨を自分で行うときの注意点
自分で粉骨を行う際に注意してほしいことを解説します。
後に散骨する際のマナーや長期的に保存する際に参考にしてください。
粉骨するときは2mm以下にする
散骨を行う際には、遺骨とわからないような大きさまで粉骨することが条件です。
散骨に対して明確な法律は定められていませんが、遺骨をそのまま遺棄してしまうと墓埋法という法律に抵触する恐れがあります。
2mm以下にしなければならないと明確な定めがあるわけではありませんが、海外の法に習って専門業者では2mm以下に粉骨を行うケースがほとんどです。
自分で粉骨を行なった後にトラブルにならないためにも、マナーとして2mm以下になるまで粉骨を行なった方が良いでしょう。
また、粉骨を行うことはこれまであまり一般的でなかったため、粉骨と良い行為に対して「よくないこと」なのではないかという誤解を持っている方もいます。
確かに、適切な粉骨を行わずに散骨を行うと違法とされてしまうことはありますが、粉骨という行為自体に違法性は全くありませんし宗教的にもよくないこととされることはありません。
粉骨がよくないことであると言われた場合の対処法についてさらに詳しく知りたい方は▷粉骨は良くないことではない!良くないと言われる理由や対処法をご覧ください。
ご遺骨を水洗いしない
粉骨時にご遺骨を取り出した後に水洗いはしないようにしましょう。
ご遺骨は基本的にもろくなっていることが多いため、洗ってしまうとご遺骨が流れていってしまう可能性があるためです。
どうしても汚れやカビなどが気になる場合は、専門業者に委託を行うか、バーナーなどでご遺骨を滅菌することで対応することができます。
粉骨を自分で行うメリット
自分で粉骨を行うメリットを解説します。
専門業者に依頼するのも一つの方法ですが、メリットがあると感じた方は自分で粉骨を行うことをおすすめします。
メリット①安心して粉骨することができる
業者に頼らないため、自分の手で大切な故人のご遺骨を粉骨することができます。
業者に粉骨を依頼する際の不安などを感じる必要がないため、安心して粉骨することが可能です。
メリット②費用がかからない
専門の業者に依頼するとどうしても粉骨費用がかかります。
自分で粉骨を行う場合はもちろん依頼の費用がかからないため、比較的安価で粉骨することができます。
しかし、粉骨する際に必要な道具をそろえる際の費用はかかってしまうため注意が必要です。
粉骨を自分で行うデメリット
粉骨を自分で行う際のデメリットを解説します。
メリットとデメリットを比較して検討してみるのも良いでしょう。
デメリット①心理的な負担が大きい
大切な故人のご遺骨を自分の手で砕くという作業は、やはり精神的な負担が大きいです。
ご遺骨の状態にもよりますが、自分で粉骨する場合はかなり時間がかかります。
一度粉骨を始めると、元には戻らないためしっかりと考えて行う方が良いでしょう。
デメリット②綺麗なパウダー状にするのが難しい
自分で粉骨する場合は、全てのご遺骨を綺麗なパウダー状にすることは難しいです。
根気と体力、一定以上の力があり、時間をかけることができる状況であれば可能ですが、かなりの重労働になることは意識しておきましょう。
デメリット③長期保管が難しい
自分で粉骨を行なった場合、滅菌処理や真空パックなど、ご遺骨を保管に適した状態にすることは非常に難しいです。
手元供養で長い期間保管する場合、保管に適した状態で粉骨を行う専門業者に依頼した方が結果的に良いケースもあります。
自分で粉骨するのが難しそうだと感じたら
自分で粉骨することは可能ですが、非常に大変な作業です。
粉骨が難しいなと感じたら、専門の業者に相談することをおすすめします。
ご遺骨の状況でも粉骨の最適な方法は変化します。
粉骨でお困りの際にはブリーズガーデンにぜひご相談ください。
大切な故人のための供養方法を誠心誠意提案させていただきます。
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