ペットの遺骨は自分で粉骨できるの?方法やメリット・デメリットを徹底解説
ペットを亡くされた方が、火葬後ご遺骨をお手元で供養されること(手元供養)が多くなってきました。
また、海やお庭への散骨を考えている方もいらっしゃると思います。
手元供養・散骨をする場合、粉骨という作業が必要になります。
粉骨とは、ご遺骨を細かく砕いて粉末状にすることを指します。
粉骨によってご遺骨を粉末状にすると、小さな骨壺への入れ替えができるほか、ネックレスやペンダントに分骨して愛するペットと行動を共にすることが可能です。
また、粉末状のため、自然や環境に配慮した散骨を行うことが可能です。
しかしながら、「粉骨は自分で行ってよいのか?」「どうやって粉骨すればよいのか?」と疑問に思っている方もいらっしゃると思います。
そこで今回は、粉骨を行う目的、ペットのご遺骨を自分で粉骨する方法、ペットのご家族自身が粉骨をすることのメリット・デメリットについて徹底解説します。
これからペットのご遺骨の粉骨を考えていらっしゃる方は、ぜひ参考にしてみてください。
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目次
ペットの粉骨は自分でおこなってもよい?
粉骨とは、ご遺骨を細かく砕いて、さらさらの粉末状にする作業のことを指します。
ペットの粉骨ですが、ご家族自身が行っても何の問題もありません。
家族の一員としての敬意の念を持って、丁寧に粉骨してあげましょう。
また、一度粉骨をしたら元に戻すことはできません。
トラブルを避けるためにも、独断で粉骨をするのではなく、他のご家族にも相談してから行うようにしましょう。
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ペットの粉骨を行う2つの目的
ペットの粉骨を行う目的は、大きく分けて2つあります。
ここでは、それぞれの目的について詳しくご紹介します。
散骨や手元供養ができないため
ペットの粉骨を行う目的の1つとして、散骨や手元供養が挙げられます。
散骨とは、火葬後粉末状にした遺骨を、山や海などに撒く葬法のことをいいます。
ペットのご遺骨を散骨する場合、自宅のお庭に撒く方も多いです。
散骨は、ペットやそのご家族にとって思い入れのある場所や、自然に還してあげることができるという点で魅力的な葬法です。
しかしながら、環境への配慮のため散骨を行う際は必ずご遺骨を粉末状にしておく必要があります。
散骨して良い場所に関してはこちらに記事でご紹介しています。
興味のある方はこちらも合わせてチェックしてみるとよいでしょう。
➤散骨はどこでできる?できない場所や場所を選ぶ時の注意点を解説
▶︎散骨はどこでできる?できない場所や場所を選ぶ時の注意点を解説
また、手元供養とは、自宅や身近なところに遺骨の全部、または一部を保管して供養する方法のことをいいます。
手元供養は散骨とは異なり、粉骨をしなくてもよいのですが、 手元供養品の利用を考えているのであれば、粉骨が必要になってきます。
手元供養品には、ご遺骨を納めることができるオブジェなどがあります。
手元供養品の中には身に着けられるものも存在し、ペンダントに分骨することで愛するペットと四六時中行動を共にすることもできます。
保存がコンパクトになる
粉骨を行うと遺骨の体積より小さくなるので、骨壷のサイズを小さくすることができます。
これによって、ペットのご遺骨をよりコンパクトに保存することができます。
ペットのご遺骨を粉骨するための必要な8つの道具
ペットのご家族自身で粉骨を行うには、いくつかの道具が必要になります。
ここでは、ペットのご遺骨を粉骨するために必要な8つの道具についてご紹介します。
ゴム手袋
ゴム手袋は、ご遺骨を触る際に使用します。
ご遺骨を直接手で触ると、手の皮脂やタンパク質の汚れが骨に付着してしまいます。
そうすると、これらを栄養源とするカビが繁殖しやすくなります。
ご遺骨を状態良く保存するためにも、手袋をつけて作業しましょう。
バット
バットは、ご遺骨を骨壺から空けるときに使用します。
バットにご遺骨を空けた時、骨壺の底が湿っぽくなっていたり、シミのような黒ずみが見られたりする場合はカビが発生している可能性があります。
この場合、ご遺骨と骨壺をよく天日乾燥させましょう。
箸・ピンセット
箸やピンセットは、ご遺骨から金属やススを除去するときに使用します。
ハンマー
ハンマーは、比較的大きなご遺骨を砕く際に使用します。
特に大型犬の場合、ご遺骨のサイズが大きく、骨も硬いです。
そのため、まずご遺骨を袋に入れた状態で少し細かくなるまで砕くという作業が必要です。
袋(布)
始めにハンマーで遺骨を砕く際、ご遺骨を入れる袋として使用します。
布袋を使用すると、骨が周囲に飛び散らなくて済むためおすすめです。
小型犬や猫の場合、箸や手を使って骨壺の中でご遺骨を細かく砕くこともできます。
乳鉢
乳鉢は、ご遺骨をすりつぶし、粉末状にする際に使用します。
安いものであれば、通販やホームセンターで1000円前後で購入することができます。
乳鉢の選び方ですが、ご遺骨の大きさに合わせたサイズを選ぶことをおすすめします。
大型犬の場合、少し値は張ってしまいますが大きめの乳鉢を選んだ方が、ご遺骨をすりつぶす工程が楽になります。
ハケ
ハケは、粉末状のご遺骨を容器に移すときに使用します。
粉末状のご遺骨を余すことなく容器に移すことができるよう、柔らかくて小回りの利く、小さなハケがおすすめです。
ご遺骨を保管するための袋や容器
粉骨した遺骨を入れる容器や袋も必要です。
用途に合わせて大きさや素材を工夫するとよいでしょう。
例えば、長期間保存する場合には、カビ等の繁殖を防ぐためにジップロック等の密閉性の高いものを選ぶ必要があります。
また、散骨する場合には散骨後に処分しやすく、撒きやすい紙袋がおすすめです。
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ペットのご遺骨を自分で粉骨する手順
ペットのご遺骨を自分の手で粉骨する際の手順についてご紹介します。
-
- 手袋をはめて、骨壺からご遺骨をバットに取り出す
- 半日から1日ほど天日乾燥させる
日当たりの良い場所で骨を天日乾燥させます。
特に、バットにご遺骨を空けた際、ご遺骨が湿っている、骨壺の底が湿っぽい、シミのような黒ずみがある場合はカビが発生している可能性があります。
念入りに天日乾燥させましょう。
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- ピンセットでゴミやススなどを取り除く
箸やピンセットを使って、ススや金属などの、ご遺骨の不純物を取り除きます。
-
- 2,3重にした袋に遺骨を入れてハンマーで粉砕する
大型犬など、比較的ご遺骨が大きく、硬い場合は特に念入りに行います。
-
- 乳鉢ですり潰す
ご遺骨を乳鉢に少しずつ入れながら、粉末状になるまで細かくすりつぶします。
-
- ハケで保存容器に入れる
ハケを使い、適切な保存容器に粉骨したご遺骨を入れます。
ペットのご遺骨を粉骨するのに向いている人
粉骨というのは、ご遺骨を砕くという行為なので、人によってはかなりショッキングな行為であると考えられます。
一度砕いてしまったご遺骨は元には戻りませんし、なんとなくの気持ちで行っていい行為でもありません。
では、ペットのご遺骨を粉骨するのに向いているのは、いったいどのような人なのでしょうか。
ここでは、粉骨に向いている人の特徴をご紹介します。
ご遺骨のカビが心配な人
ペットのご遺骨は基本的に骨壺に入れて管理することが多いです。
しかし、骨壺の中と外の温度差によって結露が生じ、骨壺の底に水が溜まってしまうことがあります。
せっかく大切に供養していても、ご遺骨にカビが生えてしまうというのは悲しいですよね。
粉骨をしてしまえば、真空機能のついた容器や袋にご遺骨を入れて保管することができるため、カビの発生を防止することができます。
よって、ご遺骨にカビが生えてしまうことが心配な方は、粉骨をおすすめします。
災害時に備えたい人
日本は自然災害の多い国です。
避難が必要になった際に、大きな骨壺を持って移動するというのは大変なことです。
とはいえ、大切な家族のご遺骨を置いて避難するというのは心苦しいですよね。
いつくるかわからない災害時に大切なものを持って移動できるよう、あらかじめ準備しておくことをおすすめします。
粉骨をすると、ご遺骨の体積は元の体積の半分かそれ以下の大きさになります。
なので、より小さなサイズの骨壺にご遺骨を入れることができます。
また、ネックレスやペンダントなど、ご遺骨を身に着ける専用のアクセサリーに分骨することもできます。
これらは大きな骨壺よりも、はるかに持ち運びの負担がかかりません。
緊急時にペットのご遺骨と離れ離れになる心配も少なくなるでしょう。
よって、災害時に備えたい人は粉骨をおすすめします。
ご遺骨の引き継ぎを簡単にしたい人
自分が亡くなったときなど、ご遺骨と離れなければならない理由ができてしまうこともあります。
そうなった場合、親族などの近しい人にご遺骨を引き継いで、管理をお願いすることもあるでしょう。
いくら家族の一員であるペットのご遺骨でも、他の人に管理をお任せするのであれば、できるだけコンパクトで手間のかからないような状態にしておくのがよいでしょう。
管理をお任せする方にも生活があります。
粉骨をすれば、ご遺骨をコンパクトなサイズで保管することができるため、ご遺骨を引き継いでくださる方の負担を軽減させることができます。
また、ネックレスやペンダントなど、ご遺骨を身に着ける専用のアクセサリーに分骨をしておけば、自分が亡くなった後に副葬品として一緒に埋葬してもらうこともできます。
よって、ご遺骨の引き継ぎを簡単にしたい人は、粉骨をおすすめします。
ペットのご遺骨を自分で粉骨する際の2つのメリット
ここでは、ペットのご遺骨を自分で粉骨する際のメリットを2つご紹介します。
自分で粉骨を行うか検討なさっている方はぜひ参考にしてみてください。
費用を抑えられる
自分で粉骨を行えば、費用は粉骨時に使用する道具代しかかかりません。
また、バットやハンマーなど自宅にある道具で代用することができる場合、費用がかからないケースもあります。
自宅にある道具を使用して粉骨を行う際は、他の家族の了承を得てからにしましょう。
一方で、業者に粉骨を依頼した場合の相場は、数千円~1.5万円程度です。
ご遺骨の大きさが大きくなればなるほど値段も上がります。
したがって、業者に依頼するよりも自分で粉骨をした方が安価であるといえます。
業者探しの手間が省ける
大切な家族の一員のご遺骨です。
業者に粉骨を依頼する場合、ご遺骨を預けても大丈夫な業者なのか事前に調べておく必要があります。
しかし、自分で粉骨を行えば他の人に預けて雑に扱われないか心配することもありませんし、業者探しの手間も省けます。
ペットの遺骨を自分で粉骨する際の3つのデメリット
ここでは、ペットのご遺骨を自分で粉骨する際のデメリットを2つご紹介します。
自分で粉骨を行うか検討なさっている方はぜひ参考にしてみてください。
粉骨する道具の費用がかかる
業者に粉骨を頼むより自分で粉骨を行った方が安価で済むとはいえ、粉骨の際に使用する道具をそろえる必要があります。
粉骨の際に使う道具は、以下の8点です。
乳鉢に関しては、ペットのご遺骨の大きさに合わせたサイズを用意するとよいでしょう。
安いものであれば、通販やホームセンターなどで1000円前後で購入することができますが、大きめの乳鉢の購入を検討している場合は~10000円ほどかかることもあります。
上記の8点全てをそろえると、最低でも4000円程度はかかります。
精神的に辛い
粉骨とは、ご遺骨を砕く行為のことをいいます。
愛するペットのご遺骨を自らの手で砕くことが、精神的に辛いと感じる方が多いです。
粉骨を業者に依頼する方のほとんどが、これを理由として挙げています。
精神的に辛いと感じるのであれば、ペットのご遺骨を自分で粉骨する作業をおすすめできません。
粉骨は必ずしも自分で行わなければいけないことではありません。
無理せず業者に依頼することをおすすめします。
ご自身の心身の健康を第一に考えましょう。
時間と体力が必要
手作業でご遺骨をさらさらの粉末状にするにはかなりの時間を要します。
また、ご遺骨には硬い部分もあるので体力も必要になってきます。
特に、ご遺骨の量が多く、硬い骨も多い大型犬の粉骨を行う場合、相当な時間と体力を要する可能性があります。
十分に覚悟したうえで粉骨を行いましょう。
まとめ
ペットのご遺骨は、ご家族自身の手で粉骨することができます。
この記事では、粉骨を行う目的、ペットのご遺骨を自分で粉骨する方法、ペットのご遺骨を自分で粉骨をすることのメリット・デメリットについてご紹介しました。
粉骨を行う目的は、散骨や手元供養を行うため、ご遺骨をよりコンパクトに保存するためなどが挙げられます。
また、骨壺の中と外の温度差によって、骨壺の底に水が溜まってしまうことがあります。
この水によってご遺骨にカビが生えてしまう危険性があるので、粉骨して真空機能のついた容器や袋に入れておけば、ご遺骨を清潔な状態で保管しておくことができます。
ペットのご遺骨を自分で粉骨するためには、ゴム手袋、バット、箸もしくはピンセット、ハンマー、布袋、乳鉢、ハケ、ご遺骨を保管するための袋や容器が必要です。
自分で粉骨を行う場合、業者に依頼するよりも比較的安価に粉骨を行えるほか、大切なご遺骨を他の人に雑に扱われる心配や、業者探しの手間もなくなります。
しかし、手作業でご遺骨を粉末状にするというのはなかなか根気と時間が必要な作業です。
特にご遺骨の量が多い大型犬は時間がかかります。
また、愛するペットのご遺骨を自分で粉骨することが精神的に辛いと感じる方もいらっしゃいます。
ペットのご遺骨を自分で粉骨することに抵抗がある方は、無理をせず業者にお願いするというのもよいでしょう。
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