ペットのご遺骨を持ち歩くことはできる?手順・注意点もご紹介
亡くなってしまったペットのご遺骨を「持ち歩きたい」とお考えになる方は、少なからずいらっしゃるのではないでしょうか。
ご遺骨を持ち歩くには、適切な手順や注意するべき点が存在します。
また、メリットやデメリットを知ることで後悔の無い供養を選択することが可能になります。
そこで、本記事ではご遺骨を持ち歩くに際しての、適切な手順や注意点、メリット・デメリットをご紹介します。
知識を持ってトラブルや後悔から身を守り、ペットを供養してあげましょう。
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目次
ペットのご遺骨は持ち歩いても良いの?
そもそも、ペットのご遺骨を持ち歩くこと自体に問題がないのか不安に思われる方も多くいらっしゃると思います。
まずは、その問題の有無について法律的な側面と宗教的な側面から解説します。
ペットのご遺骨を持ち歩くことは法的に問題ない
ペットのご遺骨を持ち歩くことについて、法的には問題ありません。
動物のご遺体を公共の場や他人の土地に埋めた場合、不法投棄罪に問われる可能性があります。
しかし、ご遺骨を持ち歩くことを禁止する法律や制限・取り決めを明言した法律はありません。
つまり、ご遺骨を持ち歩くことは法的に禁じられた行為ではないということになります。
よって、法律に背くことにはなりません。
ペットのご遺骨を持ち歩くことは宗教的にも問題ない
ペットのご遺骨を持ち歩くことについて、宗教的にも問題はありません。
そもそも動物は宗派を持っていません。
つまり、ペットを供養すること自体、宗教的な行為ではないと言えます。
よって、ペットのご遺骨を持ち歩くことに関して宗教上の規則を心配する必要はありません。
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ペットのご遺骨を持ち歩く方法、手元供養
ペットのご遺骨を持ち歩くということは「手元供養」に該当する供養方法です。
手元供養をおこなうには適切な手順があります。
そこで、ペットのご遺骨を持ち歩くという手元供養の定義や手順について詳しく解説します。
手元供養とは
手元供養とは、ご遺骨の一部ないし全部をご遺族にとって身近な場所に保管するという供養方法です。
お墓や納骨堂にご遺骨を納める供養方法に較べて、亡くなったペットをそばに感じやすいという点が魅力となり、ペットの飼い主からも近年支持を集めています。
手元供養を行う流れ
手元供養を行う流れをご紹介します。
手元供養を行う流れ①同居の方からの了承を得る
なによりもまず、同居の方がいらっしゃる際には手元供養について了承を得るようにしましょう。
万一、同居の方が手元供養について否定的な考えや恐怖感をお持ちの場合、1人で準備を進めてしまっては後々トラブルに発展する危険があります。
同様の理由で、ペットぐるみで交流のある親しい方にも事前に話をする方が良いかもしれません。
飼い主がトラブルに見舞われる原因となることは、亡くなったペットにとっても非常に心苦しいことであるはずです。
ペットが安らかに眠れる環境を整えるためにも、事前に話を通しトラブルを回避することが重要です。
手元供養を行う流れ②ご遺骨の配分を決める
手元供養を行うことに了承を得られたら、ペットのご遺骨のうち手元にどのくらいを残すかを決めます。
ご遺骨の全てを手元に残すという方法もありますが、手元供養をするお骨と別の供養方法をおこなうお骨に分けることも可能です。
異なる供養方法を行うことで、手元供養についての了承が得られる場合もあります。
ご遺骨を分けることは「分骨」といわれる行為で、法律に抵触する心配はありません。
ペットの場合には特別な証明書の発行も必要ないためご安心ください。
手元供養を行う流れ③手元供養品を選ぶ
手元にご遺骨を残す際の入れ物にあたるものが、手元供養品です。
ご遺骨を持ち歩きたいという希望をお持ちの場合には、「アクセサリー」「キーホルダー」「キーチャーム」といった形の手元供養品を選ぶのがおすすめです。
ネット販売をしている店も多くバリエーションが豊かなため、飼い主の好みやペットの性格・雰囲気に合うものを探してみましょう。
他にも、手元供養品には骨壺・写真立て・ぬいぐるみなど多くの種類があります。
持ち歩くのに適した手元供養品はコンパクトな分、1つあたりに納められるご遺骨の量が少量なことがほとんどです。
他の供養方法や他の手元供養品との併用も検討しましょう。
手元供養を行うために必要なこと
手元供養を行うにあたっては、分骨や粉骨が必要になるケースが殆どです。
分骨とは、ご遺骨を2つ以上に分けることです。
火葬後の収骨のときに行うことが一般的なタイミングになります。
ここで、手元に残すご遺骨を取り分けます。
カビの発生原因となるため、分骨をおこなう際にはくれぐれも素手でご遺骨に触れないように気を付けましょう。
ご遺骨を分けることは、痛ましいことでも悪いことでもありません。
仏教世界やキリスト教では分骨したご遺骨を祈りの対象として尊んできた歴史があります。
生前仲の良かった人々の心の拠り所として生き続けるための方法の中に、分骨があるといえましょう。
分骨についてより詳しく知りたいとお考えの方は、こちらの記事をご覧ください。
▷粉骨でお墓の管理を楽に!粉骨のメリットやデメリットを徹底解説
粉骨とは、ご遺骨を粉状にすることです。
ご遺骨に手を加えることに抵抗を覚える方もいるかと思いますが、粉骨についても法律面・宗教面共に問題はありませんのでご安心ください。
ご遺骨を粉状にすることで、体積が小さくなり持ち運びがしやすくなります。
また、真空パックの利用ができる点・密閉保存がしやすくなる点から、ご遺骨を綺麗な状態に保ちやすくなるというメリットもあります。
粉骨はすり鉢などを用いて自宅で行うことも可能ですが、心理的な負担も大きいことが予想されます。
ペットの粉骨をしてくれる業者がありますので、自分で粉骨をすることは苦しいとお感じの方は業者への依頼を検討してみてはいかがでしょうか?
粉骨についてより詳しく知りたいとお考えの方は、こちらの記事をご覧ください。
▷粉骨とは?メリットやデメリットから費用・注意点まで徹底解説
ご遺骨を持ち歩くとなると手元供養品のサイズが小さくなるため、納められるご遺骨の量は限られたものになると考えられます。
適切に分骨・粉骨をおこない、供養へと繋げていきましょう。
どのご遺骨の部位を持ち歩くべき?
ご遺骨を持ち歩くとき、全てのご遺骨を持ち歩くことは重さや大きさの面でなかなか難しそうです。
ご遺骨の中の限られた部分を持ち歩くとなると、持ち歩くのに適した部位や選ぶべき部位について、気になるのではないでしょうか。
そこで、ご遺骨の部位に関する考え方を解説します。
部位に決まりはない
ご遺骨を持ち歩くのにあたって、適した部位や選ぶべき部位は存在しません。
ルールやしきたりを気になさる必要もないためご安心ください。
どうしても持ち歩く部分を決め兼ねるという方は、よく撫でた部位を参考に決めるのもおすすめです。
故人の供養では喉仏を重要視することもある
特定の部位を尊ぶ一例には、故人の喉仏を重要視する考え方が挙げられます。
喉仏というと男性の首元の突起を想像する方もいると思われますが、こちらでいう喉仏は「第二頸椎」にあたるもので性別関係なく持ち合わせるものです。
火葬後に残る第二頸椎が座禅を組み合掌をした仏様の姿に見えることから「仏様の宿る神聖な部位」と重要視されるようになりました。
しかし、手元供養をおこなうにあたっては信仰や定説を過度に重んじる必要はありません。
どの部位であっても、等しく尊く大切なものであることに変わりはないからです。
ペットの供養に最も適した選択をおこなうことが肝心です。
故人の喉仏の扱われ方について、より詳しく知りたいとお考えの方は次の記事をご参照ください 。
▷手元供養品には喉仏を入れなくてはいけない?部位の選び方を解説
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ペットのご遺骨を持ち歩くメリット・デメリット
ペットのご遺骨を持ち歩くことは法律的にも宗教的にも問題のない行為です。
一方で、この供養方法にはメリットとデメリットの両方が存在します。
両方がそれぞれどのようなものであるかをきちんと確認し、後悔の無い選択を取りましょう。
ペットのご遺骨を持ち歩くメリット①ペットの存在を身近に感じることができるようになる
ペットの存在を最も身近に感じられるという点は、ペットのご遺骨を持ち歩くメリットです。
特定の場所にご遺骨を預け、ご遺族が手を合わせる機会に毎回出向くという形式の供養方法と比べると、一層その身近さに想像がつくのではないでしょうか。
意識的にタイミングを作らずとも日常的にペットのそばにいられることは、寂しさの緩和にも繋がります。
ご遺骨の入ったグッズを見る度に想いを馳せる機会になるということは、沢山想ってもらえるという点でペットにとっても嬉しいことかもしれません。
ペットのご遺骨を持ち歩くメリット②多くの方で供養できる
多くの方で供養をできるという点も、ペットのご遺骨を持ち歩くメリットです。
飼い主のペットに向けて供養をしてあげたいとお考えの方は、飼い主のほかにも多くいらっしゃるのではないでしょうか。
ペットのご遺骨を持ち歩くことで、ご友人や顔見知りの方も飼い主と顔を合わせた機会に飼い主のペットの幸せを祈ることができます。
生前親しくしていた人に会えること、さらには幸せを願ってもらえることは、飼い主にとってもペットにとっても深い愛情を感じる機会になると考えられます。
さらには、多くの人の記憶の中でペットが生き続けていくきっかけにもなるかもしれません。
ペットのご遺骨を持ち歩くメリット③お墓のお手入れが必要ない
お墓のお手入れが必要ないという点も、ペットのご遺骨を持ち歩くメリットです。
ペットのお墓を建てた場合、墓標を磨いたりお墓の周りの雑草を抜いたりとお墓を綺麗に保つためのお手入れをする必要が出ます。
こうしたお手入れには、まとまった時間やある程度の労力を要するため、特に忙しい方々にとっては大きな負担となることが懸念されます。
しかし、ペットのご遺骨を持ち歩く場合には時間的負担・体力的負担は生じません。
飼い主の生活に即した形で、負担を感じることなく供養に専念することが可能になります。
ペットのご遺骨を持ち歩くデメリット①「よくないこと」と誤解されてしまうことがある
「よくないこと」と誤解されてしまうことがあるという点は、ペットのご遺骨を持ち歩くデメリットです。
供養方法として一般的なお墓の建立と比べると、ペットのご遺骨を持ち歩くという手元供養の在り方は一般に浸透していません。
そのため、「ご遺骨を持ち歩くことは違法行為なのではないか」「亡くなったペットが安らかに眠れないのではないか」と周囲から心配されてしまう可能性があります。
ご遺骨を持ち歩く供養方法を取っても、法律に背くことにはなりません。
また、ご遺骨そのものがペットの魂というわけではありません。
ご遺骨はペットが命を宿した一部であり、ペットが生きていた証です。
ペットのご遺骨を持ち歩くことは、よくないことではありません。
周囲の方から「よくないのでは?」と心配されたときには、自身の想いと共にご遺骨を持ち歩くことは悪いことではないとお伝えすることがおすすめです。
ご遺骨の持ち歩きに対して懸念をする方の心中には、飼い主やペットを気遣う気持ちがあると推察されます。
説明をおこなう際には、分かってほしいという想いが先行して強い口調にならないように注意しましょう。
ペットのご遺骨を持ち歩くデメリット②日常的に接しない方はお参りしにくく感じる
日常的に接しない方はお参りしにくく感じるという点も、ペットのご遺骨を持ち歩くデメリットです。
ご遺骨の持ち歩きがなされる場合、知人や親戚の方にとっては飼い主と会うことがお参りするための条件となります。
日常的に接する機会の無い関係となるとお互いにスケジュールの調整をする必要が生じるため、お参りすることにハードルの高さを感じてしまい兼ねません。
供養に加わりたいという気持ちをなかなか叶えられない人が出るということは、1つの心配事と言えるでしょう。
こうした問題に対しては、
- 分骨をおこない日常的に接しない方もお参りできる環境を整える
- お墓や納骨堂による供養もおこなう
といった方法が解決策の一例に考えられます。
予算や周囲の人々の意見と考えあわせて、供養の方法を検討することが大切です。
ペットのご遺骨を持ち歩く際の注意点
ペットのご遺骨を持ち歩くにあたっては、いくつか注意するべきポイントがあります。
飼い主にとってもペットにとっても良い供養方法となるように、実際にご遺骨を持ち歩く際には以下の内容を守るようにしましょう。
供養に対する価値観は人それぞれであることを理解する
供養に対する価値観は人それぞれです。
「悪いことではない」と伝えてもペットのご遺骨を持ち歩いていることに対して否定的な想いを抱き続ける方がいることは、十分想定されます。
「ご遺骨を持ち歩きたいという価値観」「ご遺骨を持ち歩かない方が良いのではないか」という双方の価値観に優劣や善悪はありません。
異なる考え方を持つ方に、自身の考え方を強制するような言動や振る舞いは控えるようにしましょう。
接する人や状況に応じて、お互いが心地よく過ごせるような配慮を心がけることが大切です。
持ち運びに適した手持ち供養品を選ぶ
手持ち供養品にはさまざまなものがありますが、ご遺骨を持ち歩く際には適した手持ち供養品を選ぶようにしましょう。
例えば、「アクセサリー型」「キーホルダー型」「キーチャーム型」のものがおすすめです。
手持ち供養品には他にも、「ぬいぐるみ型」「オブジェ型」「骨壺」などさまざまな種類のものがあり、サイズや材質もバラエティーに富んでいます。
必要以上に大きなものを選ぶと日常的に持ち歩くことが苦になってしまい、ご遺骨を持ち歩きたいという当初の願いが果たせなくなる可能性が高くなります。
また、ガラスのような壊れやすい材質でできたものや繊細なデザインのものを選ぶと、簡単に破損してしまう恐れがあります。
持ち運びに適した手持ち供養品を選ぶことで日常生活への支障を避け、心置きなく供養をできるようにしましょう。
手元供養品であることの周知が必要な場合がある
手元供養品が壊れてしまうという事態は十分に考えられます。
自身が大切に扱うことは勿論のこと、周囲の人に手元供養品を持っていることを知らせることで大切に扱ってもらうという対策が必要になるかもしれません。
特に、お子様と関わる機会のある方には説明をするか否かについて、1度検討してみることをおすすめします。
あるいは、お子様の目に触れないような扱い方を考えることの方が良い場合もあります。
ご遺骨の入った手元供養品をいかにして破損から守るか、対策を講じることが重要です。
カビなどご遺骨の保管状態に気をつける
気温差や温度変化による結露が生じた場合や素手でご遺骨に触れてしまった場合、ご遺骨にカビが生えてしまう可能性が高まります。
ご遺骨の保管状況には十分気を付けましょう。
手元供養品を選ぶときには、気密性の高いものを選ぶとご遺骨の汚損を防ぐことができます。
また、カビの発生原因を作りやすいご遺骨の封入作業を引き受けてくれる手元供養品の販売店もあります。
ご自身でご遺骨を扱うことが不安な場合には、こうしたサービスを利用するのもおすすめです。
ご遺骨のカビ対策については、以下の記事で詳しく解説しております。
関心のある方は是非ご覧ください。
ペットのご遺骨は持ち歩ける!思いやりのある、あたたかな供養を。
ペットのご遺骨を持ち歩くことに問題はありません。
また、厳しい取り決めやルールも無いので、飼い主の想いを思いきり注ぐことができます。
ご遺骨を持ち歩く場合には、適切な手順のもと、ペットの性格や思い出に即した選択をして大切に供養をしてあげましょう。
ただし、ルールが無くても周囲の方への配慮は常に欠かせません。
ペットの供養があたたかなものとなるように、ご遺骨の扱い方や周囲の人との接し方には注意を払うことが大切です。
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