墓じまいのトラブルは解決できる!【実例あり】対処法を解説
近年、「お墓の後継者がいない」「管理が難しくなってしまった」などの理由から墓じまいをされる方が増えています。
墓じまいをすることでこれらの悩みを解決して、自分たちに合った故人やご先祖さまの供養を行うことができるようになります。
しかし、従来、お墓とは代々引き継ぐものであるという考え方が一般的であったため、墓じまいを行った経験がないという方も多いのではないでしょうか。
また、周りにも相談できる相手がおらず不安に感じる方もいると思います。
特に、相談事のなかでも墓じまいのトラブルを起こしてしまった際の解決方法に困っているという方も多いと思います。
この記事では、そんな不安を感じやすい墓じまいのトラブルについて、よくあるトラブルの実例と解決法を詳しく解説します。
「墓じまいを行ってトラブルを起こしてしまったらどうしようと不安に感じている」という方や「トラブルを起こしてしまって困っている」という方はぜひ参考にしてください。
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目次
【実例あり】墓じまいのパターン別トラブルと解決法!
パターン別に墓じまいのよくあるトラブルとその解決法を解説します。
実際のトラブル例と解決策をしっかりと理解して、すっきり墓じまいを行えるように心がけましょう。
また、多くの場合では、自分だけで抱え込まず、周りの方へ支援を求めることが重要になります。
墓じまいにおける相談相手がいない方やどのような方へ相談したら良いかわからないと感じている方は▷墓じまいに困ったら誰に相談すればいい?よくある相談も解説をご覧ください。
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お寺とのトラブル
墓じまいをする際にお寺とのトラブルを抱える方もいます。
お寺とのトラブルは、宗教やしきたりなど独特の考え方を理解していないと解決することは難しいのではと悩んでしまう方も多いと思います。
ただし、多くの場合ではそんなことはありません。
トラブルと解決法をしっかりと理解して、後悔のない墓じまいを行えるようにしましょう。
離檀を反対されてしまった
墓じまいを行う多くの場合では「離檀」を行います。
離檀とはお寺との間でのお布施などによる経済的な支援関係を断つことです。
離檀を行うとお寺は経済的に影響を受けるため場合によっては、離檀を反対されることやトラブルに発展することもあります。
トラブルに発展してしまう離檀には「お寺に対して失礼な行動をしてしまった」「勝手に話を進めてしまった」などの共通点が見受けられることが多いという特徴があります。
お寺には、ご家族に代わってご先祖さまや故人様のお墓を守ってきたという自負があります。
そのため、突然、墓じまいをすると言われてしまうとお寺はあまり良い印象を受けません。
トラブルに発展させないためには、「事前に相談する」といった行動を取ると良いでしょう。
また、離檀を行う際には感謝の気持ちを納める離檀料という費用が必要になることがあります。
ただし、「異様に高額」「途中で離檀料の話が出てきた」など違和感を感じた場合はお寺の流派の本山へ相談すると解決できる場合があります。
本山とは、同じ宗派の中でも特別な位置付けをされる寺院です。
また、本山は宗派を取りまとめる中枢機能を果たす場合もあるため、お寺の独断で離檀料を請求している場合は本山に問い合わせることで解決できることがあります。
そのため、離檀でトラブルが起きてしまった場合やトラブルを防ぐためには
- 事前に相談するなど失礼のない行動を心がける
- 違和感を感じたらお寺の流派の本山へ問い合わせる
といった対応を行うと良いでしょう。
お布施代で揉めてしまった
墓じまいを行う際にはカロート(納骨室)と呼ばれる納骨スペースからご遺骨を取り出し、墓石を移動させて撤去します。
多くの仏教ではお墓は「故人やご先祖さまの魂の宿る尊いもの」と考えられます。
そのため、お墓から魂を抜く「閉眼供養」を行わなければ墓じまいは行うことができません。
閉眼供養を行う際には、供養に対する感謝料としてお布施をお渡しします。
お布施は説法を行っていただいたことに感謝してお渡しするため、相場は定まっていません。
そのため、提示されたお布施代に納得いかずトラブルに発展してしまうことがあります。
お布施代に相場は存在しませんが多くの場合では3〜10万円であることが多いです。
お布施代はお寺や流派の考えによって異なる場合もあるため、同じお寺や同じ宗派に属するお寺で墓じまいをされた方の助言を得ると良いでしょう。
もしも、お布施代に疑問を感じた場合には、宗派の中枢機能を果たすこともある本山へ尋ねてみましょう。
また、お寺へ問い合わせる場合もなるべく穏便な尋ね方をすると、印象よくお尋ねすることができるのではないでしょうか。
お布施代でトラブルが起きてしまった場合やトラブルを防ぐためには
- 同じお寺や宗派の同じお寺で墓じまいされた方の経験を参考にする
- 違和感を感じたら本山へ問い合わせる
といった対応を行うと良いでしょう。
また、お布施代については▷墓じまいのお布施はいくら包めば良い?墓じまいの費用を徹底解説でさらに詳しく説明しています。
石材店とのトラブル
墓じまいの際には石材店との間でトラブルになってしまうことがあります。
ただし、石材店はお寺とは異なり普段から接する機会があるという方は少ないのではないでしょうか。
そのため、石材店との間でトラブルに発展してしまっても、解決するための手段に迷い、悩んでしまうという方もいます。
石材店とのトラブルと対処法を理解して対応できるようにしましょう。
しっかり墓石を撤去してもらえなかった
石材店は、お墓の工事を得意とする業者です。
墓石は非常に重たいため、専門の機材や知識・技能がなければ、運び出すことはできません。
多くの石材店では丁寧に仕事をしていただけますが、中には依頼したないように対して納得がいかずトラブルに発展してしまうこともあるようです。
特に、墓石の撤去が不完全であった場合は寺院に墓じまいの完了を承認していただけない場合もあり、トラブルに発展しやすいようです。
また、「お墓の形状が複雑」「お墓が斜面に建っている」「重機が入れない」といった条件に該当している場合は断られてしまうことや追加で料金が発生することもあるようです。
これらの条件に該当する場合は前もって伝えておくと、円滑に話し合いを進めることができるのではないでしょうか。
多くの石材店は真摯に仕事へ取り組まれていますが、中には墓石を適切な方法で破棄せず、不法投棄してしまうといった悪質な業者も存在するようです。
不法投棄をした業者に依頼した方が法的に問題視されることや責任を問われることは少ないそうですが、余計なトラブルに巻き込まれてしまう原因になってしまいます。
もしも、石材店の話や対応に違和感を感じた場合は消費者センターや法律の専門家であり法的措置を行うことが可能な弁護士へ相談しましょう。
墓じまいの際には、ひとつの意見だけでなく複数の意見から吟味すると最適な選択ができることが多いです。
そのため、石材店との話し合いで疑問を感じた場合は、墓じまいを経験した方へ助言を求めると良いでしょう。
また、複数の石材店で見積もりを行うことも効果的です。
お布施代でトラブルが起きてしまった場合やトラブルを防ぐためには
- 墓じまいを経験された方へ助言を求める
- 複数の石材店で見積もりを行う
- 消費者センターや弁護士へ相談する
といった対応を行うと良いでしょう。
希望する石材店では施工を許可してもらえなかった
お墓のある寺院や霊園によっては、元から施工できる石材店を決めている場合があります。
これは「指定石材店制度」と呼ばれる制度で、この制度は寺院や霊園が信頼できる石材店へ依頼してお墓の景観や品位を保つために取り入れています。
また、指定石材店制度は、民営の霊園や寺院の運営する霊園に多くみられる制度です。
指定石材店制度のある墓地で墓じまいをする際は、希望の石材店に依頼できずトラブルに発展してしまうこともあるようです。
指定石材店制度は墓地を使用する契約を締結する際に言及されます。
そのため、契約書を作成した時点で指定石材店の制度について納得したという認識をされます。
また、契約書のない寺院や霊園であっても契約時に指定石材店制度について納得しているとみなされる場合が多いようです。
そのため、指定石材店以外の石材店への依頼は許可されないことや、指定石材店へ依頼しない場合には墓じまいに必要な書類を発行しないと言われてしまうこともあるようです。
これまでお世話になったお寺との間で揉めることは、故人やご先祖さまにとっても喜ばしいことではないでしょう。
これらのことから、もしも指定石材店制度について揉めてしまった場合は、提示された条件を受け入れることが無難でしょう。
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親族・親戚とのトラブル
墓じまいで親族・親戚との間でのトラブルへ発展してしまうこともあるようです。
故人やご先祖さまのためを思って行動したはずが、結果的に親族・親戚との間で亀裂を生むことになってしまったといったことのないようにしましょう。
親族・親戚に反対されてしまった
親族・親戚の間でのトラブルで最も多いものは、墓じまい事態に反対されてしまうことがきっかけで起こるトラブルです。
特に、事前に墓じまいを行うことを伝えていなかった場合はかじまいを行うことに対して納得していなかった場合トラブルに発展してしまいやすいです。
こうしたトラブルを避けるためには事前にしっかりと話し合うことが重要です。
墓じまいを行う場合は、何らかの理由でお墓の維持や管理が難しくなっている場合が多いです。
そのため、今ある形から変わったとしても、供養を続けることの重要性を伝えると納得していただきやすいのではないでしょうか。
また、多くの方の墓じまいをみてきた経験のあるお寺の関係者なども交えて話し合いを行うと円滑に行うことができるかもしれません。
また、どうしても納得していただけない場合は法的な根拠に基づき、強行することも選択肢のひとつとして検討しましょう。
民法第897条では「お墓を管理・処分する権限は祭祀継承者にある」とされています。
そのため、祭祀継承者は納得しているものの親族・親戚が反対している場合は、法的権限に基づき墓じまいを強行することができます。
ただし、この方法は穏便な手段とは言い難く、亀裂を生んでしまう可能性が高いです。
そのため、墓じまいの強行は最終的な手段として考えましょう。
親族・親戚との間でトラブルが起きてしまった場合やトラブルを防ぐためには
- 墓じまいを行う重要性を伝える
- 弁護士へ相談する
といった対応を行うと良いでしょう。
また、祭祀継承者や法的措置の相談についてさらに詳しく知りたい方は▷墓じまいに困ったら誰に相談すればいい?よくある相談も解説をご覧ください。
費用に関わるトラブル
費用に関するトラブルを抱える方もいます。
特に、墓じまいの経験がない方にとっては分からないことも多く不安な要素なのではないでしょうか。
ここでは墓じまいの費用に関するトラブルについて解説します。
費用が高くて払えない
すでに施工が始まっている段階や契約を締結した後に、費用が払えない場合はトラブルになってしまうことが多いです。
墓じまいにかかる費用は大きく分けて「お墓の撤去費用」「離檀料」「お布施代」「新たな供養を行う費用」です。
もしも、費用が払えないと感じた場合は周囲の方を頼りましょう。
お墓にはどなたか一人が管理・維持するものではなく、お墓に関わる多くの方が協力するという考え方があります。
そのため、ご家族や親戚へ相談すると費用の捻出を手伝っていただける場合が多いです。
また、自治体によっては墓じまいの補助金制度を設けるなど、墓じまいの支援を行っている場合が多いです。
銀行などの金融機関においてもメモリアルローンなど供養に関する費用のローンを設けている場合もあります。
墓じまいの費用が払えずトラブルになってしまった場合やトラブルを防ぐためには
- 家族や親戚へ相談する
- 自治体へ相談する
- メモリアルローン検討する
などの対応を行うと良いでしょう。
また、墓じまいの費用が払えない際の行動についてさらに詳しく知りたい方は▷墓じまいの費用を払えない時はどこに頼ればいい?対処法を解説をご覧ください。
手続きや書類に関わるトラブル
墓じまいの経験がないと書類に関する不安を感じることも多いのではないでしょうか。
ここでは墓じまいの際に伴う手続きに関するトラブルについて解説します。
書類を失くしてしまった
墓じまいに必要な書類を失くしてしまうと、以降の墓じまいの過程に滞りが生じるためトラブルに発展してしまいやすいです。
墓じまいに必要な書類を失くしてしまった場合は、放置せず紛失が発覚し次第なるべく早急に再発行の手続きを行いましょう。
再発行に時間のかかる書類や再度手続きが必要になる書類もあるためです。
再発行に手間取ってしまうとその後の過程へ滞りを生じてしまうことが多いです。
早めに行動を起こせばそうした滞りなどの時間を減らすことができるようになります。
墓じまいに必要な手続きや必要な書類についてさらに詳しく知りたい方は▷墓じまいの手続き|実は簡単?方法やよくある疑問も解説をご覧ください。
墓じまいのトラブルは事前の準備で回避を心がけよう!
墓じまいのトラブルは先祖代々行ってきた供養に関わるため、周囲の方との関係性に亀裂を生んでしまうこともあります。
そのため、墓じまいに関するトラブルはなるべく避けられるように前もって準備を行うようにしましょう。
また、もしもトラブルが生じてしまった場合は一人で抱え込まず、周囲の方や適切な相談相手へ支援を求めましょう。
一人で悩みを解決しようとすると複雑になってしまい、かえって周囲の助けが必要な状況になる場合もあります。
自分たちにとって最も故人やご先祖さまに対して敬意や感謝の払える供養を選択できるように意識しましょう。
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