亡くなった日の夜の電気はどうする?つけっぱなしにする理由を解説
大切な方が亡くなったときに灯りを絶やしてはいけないことはご存じでしょうか。
仏教では四十九日まで灯りを絶やしてはいけないと言われています。
灯りには故人の足元を照らす役割があるからです。
この記事では大切な方が亡くなったときに電気をつけっぱなしにする理由ともし消してしまったときの対処法について解説していきます。
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目次
亡くなった日の夜から四十九日までは電気をつけっぱなしにする理由
仏教では四十九日までは灯りを絶やしてはいけないと言われています。
これは、裁きを受けている故人の足元をろうそくの火が照らしていると考えられているためです。
このろうそくの火が現代では部屋の照明に転じたため、四十九日までは電気をつけっぱなしにすると言われるようになりました。
必ず電気はつけっぱなしにしないといけないのか
仏教でも各宗派によって考え方が異なりますが、無理につけっぱなしにする必要はないと言われています。
例えば浄土真宗の場合は、故人は亡くなった時点で成仏していると考えられているため、電気をつけっぱなしにする必要はありません。
他宗でも、故人を悼む気持ちのほうが大事とし、無理につけたままにする必要はないようです。
ただし家庭や地域によっても考え方は様々ですので、不安な人は家族や親戚に相談するとよいでしょう。
ろうそくの役割
ろうそくの役割について解説していきます。
ろくそくの役割として次の3つが考えられます。
- 亡くなられた方が迷うことなくこの世に戻ってこられるように位置を教える(お盆)
- ロウソクをつけることによって、残された家族の姿を亡くなられた方に見てもらうことができる
- ロウソクの火は、周囲の邪気を払い浄化をしてくれる
電気が通っていなかった昔の日本では、暗闇を明るく照らすためにろうそくが使われてきたため、大変貴重なものとされています。
また、宗教的な儀式をおこなうときにも使われてきました。
ろうそくを四十九日まで使う理由としては、ろうそくの灯りがあの世とこの世との架け橋となる役目を果たしてくれるからだとされています。
冥土はあの世のことを示し、冥は暗くて見えないということを意味していますので、亡くなられた方が暗くて見えない=冥土に行くまで迷わないようにという願いを込めて、ろうそくをつけっぱなしにしておくという説があります。
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ろうそくの火を絶やしたくないときはどうするのか
電気やろうそくをつけっぱなしにする必要はないとはいえ、故人を悼む気持ちから、灯りを絶やしたくないと思うこともあるでしょう。
しかし、ろうそくの火をつけたままにすると火事の恐れがあります。
もし火事などが起きてしまっては、供養どころではなくなってしまいますので、故人が安心できるように十分注意が必要です。
どうしてもろうそくがいいという場合は、夜は火事の心配もあるため火は消しておき、朝起きたら火をつけるようにしましょう。その場合夜は電気にかえるなどすれば、灯りを絶やさずにすみます。
火の代わりに電気を使用する
ろうそくの代わりに電気をつけっぱなしにするのもよいですし、電気式のろうそくもありますので、ろうそくの火の代わりになるものをつけておきましょう。
もし電気を消してしまったらどうなるのか
四十九日法要までの期間は、お水などのお供えを毎日取りかえる、お線香を絶やしてはいけない、家の灯りを消してはいけない、外出をしてはいけないことが基本とされています。
ただ、現在では、さまざまな理由から(家庭の事情・仕事・電気の消費など)24時間ならまだしも四十九日間電気をつけっぱなしにするのは現実的ではないともされています。
また、浄土真宗の場合には往生即成仏という教えがあり、故人は亡くなったときに既に成仏していると考えられているため、電気をつけっぱなしにする必要ははないと言われています。
しかし家庭やお住まいの地域によっても考え方の違いはありますので、不安だと思う方は家族や親戚に相談をしてみて、朝のお供えをして手を合わせるとき、家にいるときなどにお線香やロウソクの火を灯してみるのも良いのではないでしょうか。
もしも電気を消してしまったとしても、故人を偲ぶ気持ちや供養の気持ちを忘れないこと、そして亡くなった方が安心することができるように、残された家族が健康で無事に過ごすことなどが大切だとされています。
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他に四十九日までに絶やしていけないものはあるのか
灯り以外にも絶やしてはいけないと言われているのは線香です。
昔は遺体の匂いをごまかすために、お通夜から埋葬まで線香をつけるものとされていました。
また仏教では死者は四十九日で成仏すると言われているため、弔いの意を示すために四十九日までは線香を絶やさない方がよいという説もあります。
しかし、線香においても四十九日までつけっぱなしというのは難しい場合が多いでしょう。
また線香で喉を痛めてしまうこともあるので、無理につけっぱなしにするよりは、わずかな時間であっても、残された家族が故人を思い線香をあげるということが大切です。
近年では、様々な香りの線香や有害な化学物質が含まれない線香もありますので、ご自宅に合うものを選んでもよいでしょう。
寝ずの番の意味と由来
日本で執りおこなわれるお葬式には、古くからさまざまな慣習や儀式が盛り込まれてきました。
その1つが寝ずの番です。
意味
寝ずの番とは、お通夜の後に遺族がご遺体を夜通し見守ることです。
一説によるとお通夜という言葉は、寝ずの番の夜通しが由来とされています。
見守っている間は、線香やろうそくの火を灯し続けます。
一般的にはお通夜の翌日が葬儀・告別式なので、寝ずの番をする時間は故人とゆっくり過ごせる最後の夜です。
由来
医療が未発達だった頃は、本当にその人が亡くなったのか確認する術が未熟でした。
臨終を告げられても、まだ実際には亡くなっていない可能性もあったのです。
息を吹き返すことはないか、出棺をするまで様子を見守る風習が、寝ずの番の由来と考えられています。
寝ずの番には故人が極楽浄土に行けますようにといった願いが込められています。
線香の火を絶やさないのは、悪霊が故人に憑かないようにするためです。
その他、火は故人の旅路の足元を照らすと考えられているという説もあります。
寝ずの番のマナー
お葬式に関連する慣習にはマナーがある場合がほとんどです。
それは寝ずの番も例外ではありません。
こちらでは、服装・線香・電気に関するマナーをそれぞれ紹介します。
服装
寝ずの番をするときの服装に関する決まりはありません。
基本的に弔問客が帰宅後におこなうため、ジャージやパジャマなどのラフな服装で構いません。
ただし、お寺や斎場で寝ずの番をおこなう場合は、派手な色やデザインの服は避けるなど、マナーを考える必要はあります。
自宅以外でするのであれば、事前に確認した方が無難かもしれません。
線香
寝ずの番の必需品と言える線香は、1本ずつ供えるため途中で交換する必要が出てきます。
交換するとき、ライターやマッチを使用するのはマナー違反です。
必ず、ろうそくを使って新しい線香に火をつけてください。
もしも線香にろうそくの火が移って燃えてしまっても、息を吹きかけて消すのはマナー違反です。
その理由は、仏教において息は穢れと考えられているからです。
同じ理由で、ろうそくの火もあおいで消すか、仏壇用の火消しを被せて消すのがマナーです。
電気
寝ずの番の最中は基本的には誰かが起きているため、電気はつけたままにしておきます。
交代制にしていて、部屋が明るくて寝られない場合は、アイマスクなどの使用を検討してみてはいかがでしょうか。
ろうそく型のライトなどを使用して途中で就寝するときは、故人が安置されている部屋の電気を消して問題ありません。
まとめ
今回は亡くなった日の夜の電気はどうすればよいかについて解説してきました。
どのような方法で四十九日を過ごすにしても、一番大切なのは、故人を偲ぶ気持ちと故人が安心できるよう遺族が無事に過ごすことです。
四十九日までの過ごし方は、故人が喜んでくれる形、家族が無理なく故人を偲びながら過ごせる方法をよく相談し決めるとよいでしょう。
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