永代供養のお布施の表書きはどうやって書く?決まりや相場は?

お布施

近年、お墓に関して「後継者がいない」「法要や法事を行う人がいない」「多忙・地理的な問題などで維持管理を行うことが難しい」といった悩みを抱えている方が増えています。

こうした問題を解決できる供養の方法として「永代供養」が注目されています。

ただし、従来の供養というと「お墓への納骨」が一般的であったため、手元供養の経験がなく不安に感じるといった話をよく耳にします。

特に、宗教的な決まりごとは決まりを守らないといけないのではないかと不安を感じやすい点の一つです。

そこで、今回は永代供養のお布施に関わる決まりを解説します。

これまで、永代供養の経験がなく周りに詳しい人もおらず困っていたという方はぜひ参考にしてください。

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永代供養とは?

永代供養とは霊園や寺院がご家族や周囲の方に代わってご遺骨の供養を行うことです。

永代供養には他の方のご遺骨と一緒に埋葬される「合祀型」、一人一人のお墓のスペースがある「納骨堂型」、樹木の元で埋葬される「樹木葬型」などの種類が存在します。

多くの場合、永代供養はお墓の継承を行わないことを前提としています。

そのため、後継ぎのいない方や周囲に供養を行なってくれる方がいない場合の供養の方法として選択されてきました。

近年では、「子世代にお墓の管理や費用で苦労をかけたくない」といった考えで永代供養を選択される方が多いです。

特に、生前に亡くなった後の整理を行う「終活」の一環として注目される機会が増えています。

終活や終活で具体的に行う整理についてさらに詳しく知りたい方は▷終活の第一歩は断捨離を!失敗しないための工夫・注意点を解説
をご覧ください。

永代供養にはお布施が必要?

「お墓の建立などの供養にはお布施が必要」という考えから、永代供養にもお布施の用意が必要なのではないかと考える方も多いのではないでしょうか。

永代供養でも他の供養と同様にお布施が必要です。

お布施とは、供養をしていただくことへの「お礼代」です。

また、仏様や菩薩、観音様へお供えすることもあります。

永代供養はご遺骨を管理していただく寺院や霊園に対して感謝の気持ちとしてお礼代をお支払いします。

このとき、お支払いするお布施代は「永代供養料」と呼びますが、寺院や霊園の方へお布施代と言っても伝わります。

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永代供養料の払い方

ここでは、永代供養の払い方を解説します。

一般的な方法を解説しますが、永代供養料の支払い方は地域や宗派、寺院や霊園の考え方によってそれぞれ異なります。

そのため、わからない点がある場合は問い合わせるようにしましょう。

準備するもの

永代供養のお布施に必要なものは以下に挙げるものです。

  • お布施代
  • 筆ペン
  • のし紙またはのし袋
  • 水引き
  • 半紙
  • 袱紗

これらは文具店や書店だけでなくコンビニでも購入できます。

忘れてしまった場合や失くしてしまった場合は慌てずに近くのコンビニを探すようにしましょう。

永代供養料の表書きの書き方

永代供養のお布施代の書き方を解説します。

永代供養のお布施に必要なものが揃ったら以下の順番でお布施代をお渡しする用意をしましょう。

①半紙でお金を包む

半紙でお金を中包みと呼ばれる方法で包みます。

半紙の長い辺を上に置いた状態で、左上の角を上にして15~20度ほど傾けます。

その後、半紙の上下左右の中央から少し右寄りにお札の肖像画の書かれている面を上向きにして縦長の方向に置きます。

お札に合わせて上下の角を折ったのち、左側からお札を巻きつけるように折り込みます。

②金額を記入する

半紙の表面に入れたお布施の金額を毛筆で記入します。

この時、金額は旧字体で記入し、前には「金」と後には「也」と記入します。

例えば、一万円の場合は「金壱萬円也」、十万円の場合は「金拾萬円也」のように記入します。

旧字体がわからない場合は「〇〇(数字) 旧字体」のように検索しましょう。

③半紙をのし紙またはのし袋で包む

お布施代を包んだ半紙をのし紙で包んでのりづけをして封をします。

また、のし袋という封筒タイプのものもあります。

のし袋の方が形が崩れにくく扱いやすいため、慣れていない方はのし袋を選ぶと良いでしょう。

このとき、のし袋が用意できなかった場合は白地の封筒で代用しても構わないとされる場合もあります。

④表書きに「永代供養料」「御前代」などと記入する

のしで包むことができたらのしの飾りの上部に「永代供養料」「御前代」などと記入します。

また、浄土真宗などの一部の宗派では「故人は亡くなった後、直ちに成仏する」という考えがあるため供養という言葉は用いません。

浄土真宗の寺院や霊園で永代供養を行う場合は、「永代供養料」の代わりに「永代経懇志」と記入しましょう。

その他、宗派や寺院・霊園ごとに異なる決まりが存在することもあります。

特に、供養に関わる考え方は寺院や霊園によって異なる場合が多いため、事前に問い合わせると良いでしょう。

⑤水引きで結ぶ

最後にお布施を水引きで結びます。

水引きには様々な種類や結び方のものが存在しますが、永代供養の際の水引きには黒や白の華美ではないデザインのものを使います。

また、地域によっては黄色と白の水引きを法要・法事に使う場合もあるそうです。

水引きの色で迷った場合は、一家の年長者や購入した店舗で多く購入されている色を聞いてみるのも良いかもしれません。

⑥袱紗にしまう

お礼代を袱紗にしまいます。

袱紗には一枚の布状のものやバッグタイプのものなど様々なものがありますが、あまり慣れていない方はバッグタイプなどの簡易的なものが好ましいでしょう。

この袱紗に包んだ状態でお坊さんへお渡しするため、よれていたりシワがついていると気にされる場合もあるためです。

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永代供養料の相場

永代供養料に明確な基準は存在しません。

ただし、費用についていきなりお寺の関係者に尋ねることは少し気が引けるという方も多いと思います。

そこで、ここではよく見られる費用として相場を紹介します。

宗派や寺院・霊園によって異なるため、あくまでも必要な費用の参考としてご覧ください。

【お墓の種類別】お包みする金額

永代供養のお布施はお墓の種類によって異なります。

ここでは、他の方と同一のお墓へ埋葬される「合祀型」、一人一人の個別のお墓が存在する「単独型」、一定期間は個別のお墓に埋葬されたのち合祀される「集合型」に分けてご紹介します。

お墓の種類 費用相場
合祀型 10万円~20万円
単独型 40万円~150万円
集合型 20万円~70万円

これらの費用とは別に、親族で行なう会食を辞退された場合の「御膳料」や遠方からお越しいただいた場合は交通費相当の「お車代」をお渡しする場合があります。

また、永代供養は人気の供養方法であるため、倍率の発生するような人気霊園・墓地では事前予約や事前受付を行う場合もあります。

このような人気霊園・墓地では予約の際に「予約料」が発生することもあるようです。
希望の墓地・霊園がある場合は事前に確認しておきましょう。

永代供養料の渡し方

葬儀や従来のお墓への埋葬の際にお布施をお渡ししたことがあるという方はいると思いますが、永代供養料を渡したことがあるという方は少ないと思います。

一般的に永代供養料の渡し方に決まりはないため、過度に気にすぎる必要はありません。

ただし、永代供養で管理・供養をしていただくことに対する感謝を伝えることができるようにしましょう。

ここでは永代供養料をお渡しする「タイミング」「挨拶」を解説します。

タイミング

永代供養料をお渡しするタイミングは寺院・霊園の住職から説明がある場合がほとんどです。

ただし、「永代供養の契約時」か「納骨後の法要が済んだ時」のどちらかであることが多いようです。

住職からお渡しするタイミングを伝えられなかった場合は、こちらから尋ねても良いでしょう。

永代供養料をお渡しする時期を尋ねることが失礼に当たることはないため、あまり気にしすぎずお尋ねしてみましょう。

挨拶

挨拶に定型文は存在しませんが、多くの場合は「納骨をしていただく感謝」と「維持・管理を託すことに対する感謝」を伝えます。

そのため、挨拶に迷った場合は

「〇〇(故人)の供養をしていただきありがとうございます。今後も〇〇の墓をよろしくお願いいたします。」

などのようにお伝えすると良いでしょう。

特に、永代供養は一度、供養を行うと以降の法要・法事はお任せすることが多いです。
そのため、住職と会う機会は最後になる場合があります。

住職に対する感謝を伝えきることができるようにしましょう。

永代供養料のお布施でよくある疑問

永代供養は従来から一般的な供養ではなかったため、分からないことや不安なこともあると思います。

また、詳しい人も周囲におらず相談できない、悩んでいるという方もいると思います。

ここではそんな永代供養料のお布施に関するよくある疑問を解説します。

表書きは毛筆じゃないといけない?

初めて永代供養を経験される方の中には永代供養料の費用や表書きに使う筆記具の種類について疑問を感じることがあります。

特に、筆ペンなど毛筆に類似した筆記具を使うことに対して抵抗を感じる方がいますが、毛筆であっても筆ペンであっても構いません。

むしろ、毛筆よりも筆ペンの方が細くて書きやすいと感じる方は、綺麗にかける筆記具を選びましょう。

また、書き損じてしまうと再びのし袋・のし紙や半紙が必要になるため、事前に何回か練習してから記入すると良いでしょう。

新札以外は使ってはいけない?

葬式のお布施は「突然の訃報に対応できなかった」という意味や「亡くなることを予期することは縁起が悪い」との考えから新札を用意するとよくないという話を聞いたことがある方もいると思います。

一方、葬儀の終わった永代供養の場合は旧札を使うと、「お世話になった方にお渡しするには無礼ではないか」と考えることもあるのではないでしょうか。

お布施に入れるお札は新札が好ましいですが、どうしても手に入らない場合や全てのお札を新札で揃えることが難しい場合もあると思います。

そうした場合は無理に新札を揃えることにこだわる必要はありません。

ただし、汚れやシワのあるお札や使い古されていることがわかるお札はなるべく避けると良いでしょう。

永代供養のお布施には表書きとともに感謝の想いを込めよう

永代供養のお布施には特定の決まりはありません。

ただし、永代供養料はこれからお世話になる寺院や霊園に対する感謝を伝える機会です。

また、永代供養を行なった後の寺院や霊園との関係性はどうしても希薄になってしまいます。

そのため、感謝の気持ちを悔いなく伝えることができるように意識すると良いでしょう。

何より故人にとって気持ちよく供養できるような行動を心がけて清々しく送り出せるようにしましょう。

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